【調査の主旨】
今現在、東京の方言はどのくらい意識されているのだろうか。また、どれくらい残っているのだろうか。
それを調査するためにいくつかの言葉・質問を挙げ、今に残る東京方言を調べてみることにした。
【質問形式】
W
挙げた文の下線部について@〜Gの言い方に対してそれぞれ選択肢a・b・cの中で自分に当てはまるものについて答えたもらった。
X
挙げる言葉に対して自分に当てはまるものをa・b・c・d・eの中から選択してもらった。
Y
東京語に対する意識調査。質問に対してそれぞれ自分に当てはまる選択肢を選んでもらった。
【結果】
ここでは、わたしが気になった結果をピックアップしてみました。
・W1、2の比較
1「暑いといっても仕方ないだろう」の下線部の言い方について
@暑いといっても A暑いっつっても B暑いっつったって C暑いったって
D暑いったっても E暑いっても F暑くたって G暑くても
2「二つしかない」の下線部の言い方について
@二つしかない A二つほかない B二つよりほかない C二つよかない
D二つっきりない E二つっかない F二つっきゃない G二つよりない
(回答群)
a.使うし聞く b.使わないが聞く c.使わないし聞かない
W1 @ A B C D E F G a 66 108 118 90 14 36 109 119 b 51 31 25 36 33 22 23 18 c 38 16 11 30 108 94 21 1 無効 0 0 1 0 0 3 2 1 合計 155 155 155 155 155 155 155 155
W2 @ A B C D E F G a 150 2 6 3 6 16 32 4 b 4 28 35 19 21 26 33 21 c 0 125 114 132 128 112 90 130 無効 1 0 0 1 0 1 0 0 合計 155 155 155 155 155 155 155 155
この二つを比べると、「暑いといっても」のほうは比較的昔からの言い方が残っているのに対し、「二つしかない」の方は殆ど残っていないことがわかる。
「二つしかない」の方には言いにくいものが多いのでは?
・X@、Aの比較
@「ける」をその単語のみ命令で言うとき
a.「けれ」のみ b.「けれ」が多い c.両方同じ d.「けろ」が多い
e.「けろ」のみ
A「しゃべる」をその単語のみ命令で言うとき
a.「しゃべれ」のみ b.「しゃべれ」が多い c.両方同じ
d.「しゃべろ」が多い e.「しゃべろ」のみ
「ける」と「しゃべる」でも、同じ法則であるにも関わらず結果に差が出た。
やはり言いやすさと言い難さは関係してるといえるのか……?
・Y@、Aの比較
@東京に方言はあると思うか
a.ある b.どちらかといえばある c.どちらともいえない
d.どちらかといえばない e.ない
A自分の話していることばは標準語だと思うか
a.そう思う b.どちらかというとそう思う c.どちらとも言えない
d.どちらかといえばそう思わない e.そう思わない
この二つの結果から、『東京に方言はあるとは思うが、自分の話しているのは標準語であり、方言ではない』と思っている人が多くいることがわかる。
果たして……?