高年層調査報告K・J氏 国文学科2年 穴井沙織 |
世田谷区の高齢者を対象に、発音・アクセントについて聞きました!!!
■データ
調査日 :2003年12月27日
調査者 :穴井沙織 横田友子
被調査者 :世田谷区祖師谷 K・J氏(70代・女性)外住歴ナシ
◎世田谷区の高齢者を対象とした、発音・アクセントの特徴を調査することによって、東京語と(主に世田谷周辺の)標準語の違いをみつける。
【”ヒ”? ”シ”?】
< 東 東に行く >
→ ヒガシ(LHH) ヒガシニ(LHHH)
< 人 人がいる >
→ ヒト(LH) ヒトガ(LHH)
< 朝日 朝日がのぼる >
→ アサヒ(HLL) アサヒガ(HLLL)
● 本人は「“シ”じゃなくて“ヒ”だ」といっていたが、こちらが聞く限りではどちらかというと“シ”であった。
【標準語と同じだった発音】
< 雲 雲が >
→ クモ(HL) クモガ(HLL)
< 坂 坂をのぼる >
→ サカ(LH) サカオ(LHL)
< 命 命を守る >
→ イノチ(HLL) イノチオ(HLLL)
< 涙 涙が流れる >
→ ナミダ(HLL) ナミダガ(HLLL)
< 枕 枕をはずす >
→ マクラ(HLL) マクラオ(HLLL)
< 食べ物 食べ物がない >
→ タベモノ(LHLL) タベモノガ(LHLLL)
【標準語と違う発音をした単語】
< 梨 梨を食べる >
→ ナシ(LH) ナシオ(LHL)
< 頭 頭が痛い >
→ アタマ(LHH) アタマガ(LHLL)
● 助詞がついた時、単語の発音が変わった。
< 鏡 鏡を見る >
→ カカ゜ミ(LHH) カカ゜ミオ(LHLL)
● 判断しにくかったが、どちらかというと鼻音のカ゜だった。
● 助詞がついた時、単語の発音が変わった。
< 柱 柱が立つ >
→ ハシラ(HLL) ハシラガ(HLLL)
● 標準語では(LHH)だが、逆だった。
< かみなり かみなりが鳴る >
→ カミナリ(LHHH) カミナリガ(LHHHL)
● 助詞がついても、単語の発音は変わらなかった。
【同じ単語の活用ではどうなるか】
[ 高い ]
< 値段が高い >
→ タカイ(LHL)
< 高い値段 >
→ タカイ(LHL)
< 値段が高ければ >
→ タカケレバ(HLLLL)
< 値段が高くなる >
→ タカクナル(HLLHL)
< 値段が高くない? >
→ タカクナイ(HLLHL)
● 疑問形は発音出来ていなかった。
[ 赤い ]
< 花が赤い >
→ アカイ(LHH)
< 赤い花 >
→ アカイ(LHH)
< 花が赤ければ >
→ アカケレバ(LHHLL)
< 花が赤くなる >
→ アカクナル(LHHHL)
< 花が赤くない? >
→ アカクナイ(LHHHL)
● 少しずつだが違いがみられた。
● 疑問形は発音出来ていなかった。
[ 厚い ]
< 本が厚い >
→ アツイ(LHL)
< 厚い本 >
→ アツイ(LHL)
< 本が厚ければ >
→ アツケレバ(LHHLL)
< 本が厚くなる >
→ アツクナル(LHLHL)
< 本が厚くない? >
→ アツクナイ(LHLHL)
● 活用形が変わっても、「アツ」のアクセントは変わらなかった。
● 疑問形は発音出来ていなかった。
[ 暑い ]
< 夏が暑い >
→ アツイ(LHL)
< 暑い夏 >
→ アツイ(LHL)
< 部屋が暑ければ >
→ アツケレバ(HLLLL)
< 部屋が暑くなる >
→ アツクナル(HLLHL)
< 部屋が暑くない? >
→ アツクナイ(HLLHL)
● 活用形が変わると、「アツ」のアクセントが交替する。
● 疑問形は発音出来ていなかった。
[ 熱い ]
< お湯が熱い >
→ アツイ(LHL)
< 熱いお湯 >
→ アツイ(LHL)
< お湯が熱ければ >
→ アツケレバ(HLLLL)
< お湯が熱くなる >
→ アツクナル(HLLHL)
< お湯が熱くない? >
→ アツクナイ(HLLHL)
● 活用形が変わると、「アツ」のアクセントが交替する。
● 疑問形は発音出来ていなかった。