国文学科3年 池田美穂



人は会話します。会話には相手があり、会話では「目上の人には敬語をつかう」など相手によって言葉使いを変えているはずですが、実際のところどうなのでしょう。
調べてみました。

若者言葉と呼ばれることもある新方言語形、つまりよく「日本語の乱れ」として指摘されもする語形について、様々な相手を用意し、その相手に対して使用するかどうかをアンケートしました。

用意した様々な相手 「友達」「お父さんお母さん」「担任の先生」
「先輩」「後輩」「面接試験の試験官」
今回尋ねた語 「(食べ)ちゃった」「見して」「なにげに」
「(いい)じゃん」「(行く)っぽい」


アンケートの集計結果から、それぞれ相手に対して語を使うかどうかみてみましょう。 まず、友達に対して使うかどうかです。
図1を見てください。どの語も70%以上の人が「使う」と回答しています。「たまに使う」という人もあわせて考えると、90%近くの人が友達に対して使用しています。



次に、図2と図3を見てください。お父さんお母さん、後輩に対してはどうでしょうか。
先ほどの友達と比べると少ないですが、両親と後輩にも、70%以上の人が「使う」または「たまに使う」と答えています。




図4と図5は、先輩と担任の先生に対しての結果です。いままでの3つと比べて使用度が低いです。目上の人に対しては使用しない人が多いのですね。




最後に図6です。すべての語において、90%以上の人が「使わない」と答えています。



やはり、目上の人には使わないようです。
「友達」「お父さんお母さん」「後輩」には多くの人が使い、「先輩」「担任の先生」「面接官」にはあまり使われないようです。
今回アンケートを受けてもらった世田谷区松沢中学校の方々は、相手によってことばを使い分けていることがわかりました。
また、「友達」「お父さんお母さん」「後輩」には若者ことばをつかい、「先輩」「担任の先生」「面接官」には使わないこともわかりました。
「お父さんお母さん」も年齢的には上の相手ですが、若者ことばを使う方のグループに入っているということは、上下関係を感じていないということになるのではないでしょうか。


図1〜6のグラフについて:
これらのグラフは、アンケートの回答109人分のうち、無効回答を除いた分(有効回答分)を100%とし、その中で「使う」「たまに使う」「使わない」の回答人数を割合で示したものです。



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日本大学文理学部 2004年度フィールドワーク入門