5.3 臨時の放送
国文学科2年 稲川健太郎
国文学科2年 出垣徹也
臨時の放送とは、デパート内に流れる放送の中でも閉店時の放送のように流れる時間が決まっているわけではない放送のことで、例えば迷い人の呼び出しなどのことを指します。
この臨時の放送がどの程度外国語に対応しているのかということに関して、都内・近郊の各デパートにインタビューを行いました。
ご協力いただいたのは、
23区内……三越銀座店、三越日本橋本店、高島屋日本橋店、東急東横店、シブヤ西武、新宿アルコット、高島屋新宿店、池袋西武、三越池袋店、三越恵比寿店、松屋浅草、高島屋玉川店
近郊……伊勢丹立川店、伊勢丹府中店、東急まちだ店、川口そごう、高島屋大宮店、たまプラーザ東急
以上の18デパートです。
【Q1.催し物などの案内は何言語で行いますか? それ以外にも案内できる言語は何言語ありますか?
これに対しての解答は以下のグラフのようになりました。
グラフ1
グラフ中の『その他』は「イタリア展を行った際、イタリア人の来客を考慮してイタリア語での店内放送をした」と解答したデパートです。
このグラフから催し物の案内は日本語のみで行うデパートが圧倒的に多いことがわかります。『英語での案内も可』と解答したデパートや上記のイタリア展を行ったデパートも、基本的には日本語のみで案内をしているとのことです。
【Q2.地震や火事などの災害発生時、避難の案内などは何言語で行いますか?】
これに対しての解答は以下のグラフのようになりました。
グラフ2
Q2ではほとんどのデパートが「日本語のみ」と回答しました。その理由として、「たくさんの言語で案内すると混乱するため」、「放送に頼らずスタッフが案内するため」といったコメントが聞けました。
【Q3.迷い人などの呼び出しは何言語で行えますか?】
これに対しての解答は以下のグラフのようになりました。
グラフ3
Q1やQ2と比べて、英語での呼び出しも出来るデパートが多いことがわかります。英語での呼び出しも可能ということは、英語のできるスタッフが常に一人はいると考えられます。「英語での呼び出しも可能」と答えたデパートでも催し物の案内は日本語のみで行うところが多くありました。このことから催し物の案内を外国語で行うことに関して需要がないのではないか、と推測できます。
【まとめ】
迷い人の呼び出しなどお客様から直接要望のあるもの以外では、デパートの案内は、掲示物などと比べるとあまり多言語化されていないことが分りました。
しかし、一方で迷い人の案内を5言語以上で行えるデパートもあり、これから多言語化が進んでいくのではないかとも感じられました。