はじめに
田中ゆかり
このサイトは、2024年度前期開講の基礎演習2の授業報告です。基礎演習は、国文学科の専門科目のひとつで2年次以上の配当のプレゼミとして位置づけられる必修科目です。この科目は、国文学科の2本柱のひとつ日本語学のうち現代日本語学の知識とスキルを身に付けることを目的としています。
シラバス https://syllabus.chs.nihon-u.ac.jp/op/syllabus84928.html
円安を受け、2024年は訪日外客数がコロナ前を大きく上回る年となりました。そして、本科目でも5年ぶりに履修者全員が対面形式で授業に参加することができました!
そのため街に繰り出す隣地調査派も増え、新鮮な調査テーマに取り組む履修者も多く、履修者それぞれが世界の新しい見方を獲得できたのではないでしょうか。隣地調査に出向いた先は、街、駅、電車の中、車好きの集まるスポット。サイト調査も、電鉄会社、自治体、ホイル、図書館、美術館、寺社、プロスポーツチームなどで、かねてより気になっていた場所の言語サイン・言語サービスにそれぞれ注目したようです。アイテムも注意喚起や警告、サイトの言語選択バー、パンフレットなどいろいろなところに目を付けています。新しいところでは、インスタグラムのハッシュタグの多言語対応に眼を付けた履修者もいて、またそれがどうもかなり大きな広報効果となるようだということは、ちょうどこの科目の開講期間中に報じられた松本城のSNSのフォロワー数が日本一というニュースからもうかがえました。報道によれば、その背景には松本城のインスタグラムのハッシュタグの多言語対応にあったということでした。履修者の最終課題は、多岐にわたるスポットにおける多様なアイテムの小さな調査ではありますが、全体を通して報告を見通すと、一定の傾向性を読み取ることができます。履修者の言語景観・言語サービス調査の結果から、日本語社会の現在が自然と浮かび上がることでしょう。
本サイトでは、履修者の最終課題を「街」「交通」「自治体」「施設」「観光・レジャー・スポーツ」の五つに分類して紹介します(中にはちょっと無理やりな分類もありますが…)。拙いところはあると思いますが、受講者一人一人の個性もうかがえる興味深い結果が示されていると思います。
なお、この授業には、田中ゼミ所属の4年生の落合一蕗さんにSAとして参加してもらいました。落合さんには、各回のLMSの事前確認、教室内でのパソコン等の機器の扱い方や、国文学科の先輩としての電子資料やパワーポイントや図表作成についてのちょっとしたコツの伝授ならびに、教員とは別の視点から捉えた各回発表へのフィードバックや課題作成時の履修者へのサポートなどを担当してもらいました。
学部学生たちが自分たちなりに言語景観・言語サービス研究に取り組んだ試みとして、本サイトをご覧ください。
【授業の流れ】
- 1 学修環境確認 ガイダンス(発表日調整含む) LMS巡回と導入課題・第1回課題説明
- 2 コース環境整備、第1回課題ミニ発表&FB、言語景観・言語サービス研究とは?、課題説明
- 3 日程調整、第2回課題(調査設計プラン)ミニ発表&FB、第3回課題(改訂調査設計プラン)
- 4 発表の方法と形式・発表と最終課題について、第3回課題ミニ発表&FB、調査プランブラッシュアップ、発表についての質問・相談
- 5 教室内で発表準備作業 発表についての質問・相談
- 6 教室内で発表準備作業 発表についての質問・相談
- 7 発表とフィードバック
- 8 発表とフィードバック
- 9 発表とフィードバック
- 10 発表とフィードバック
- 11 発表とフィードバック
- 12 発表とフィードバック
- 13 発表とフィードバック、最終課題作成解説と質問・相談
- 14 発表とフィードバック、最終課題作成
- 15 最終課題の提出&全体のふりかえり課題