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少女マンガの関西弁キャラクターの関西弁出現場面について

国文学科2年 遠藤理乃

私は、少女漫画『りぼん』の1990年代と2000年代の作品中に登場する関西弁を話すキャラクターがどんな場面で関西弁を話しているのかということを目的として調べた。


表1<キャラクターのセリフ数データ>

キャラクター名関西弁関西弁一言総数(関西弁+標準語)
田代勇介3180
翔太31036
草太郎32070
及川空子1206200
佐久間ヒカル53316
三木三智也20116

表2

話者関西弁セリフ場面作品名
田代勇介「雰囲気くらい自分で作らんかい!」友人の行動への怒りを友人にぶつける場面ご近所物語
翔太「もうキミらに会うのめっちゃ楽しみやってんでー!」ヒロインに会えて嬉しくてテンションが高い場面ラブラブ・ショック
草太郎「なにごちゃごちゃゆーてんねーん!?」イライラしている場面世紀末のエンジェル
及川空子「相手する気にもならんわ」自分に突っかかってくる後輩にイライラする場面ソラソラ
佐久間ヒカル「死ぬっつう事がどないな事かわかって口にしとんのか」友人に対して周りを気にせず怒っている場面たらんたランタ
佐久間ヒカル「ちゃうっ」会話中に友人の行為に嫌がっている場面たらんたランタ
三木三智也「どこ行っててん」ヒロインをからかっている場面たらんたランタ

*1990年代作品…ご近所物語、世紀末のエンジェル、ラブラブ・ショック  2000年代作品…ソラソラ、チョコミミ、たらんたランタ


表3<分析対象キャラクター紹介>

名前関西弁使用
恒常的/臨時的
関西弁が
生育地言語/非生育地言語
田代勇介臨時的非生育地言語
翔太恒常的生育地言語
草太郎恒常的不明
及川空子恒常的生育地言語
佐久間ヒカル臨時的生育地言語
三木三智也臨時的非生育地言語

この結果を見て、「喜怒哀楽」特に「怒」と「喜」の場面では関西弁が使用されている確立が高いことがわかった。この事はおそらく関西弁の印象と関係があるのかと思った。特に佐久間ヒカルのように普段は標準語を使用しているのにある場面では臨時的に関西弁を使用しているというキャラクターは、やはり意味があって関西弁を使用していると思う。
関西弁は標準語と違って言葉にインパクトがあるように感じる。喜怒哀楽の表現によく使用されているのは、関西弁使用場面がインパクトを与えたい場面だからだと思う。そして関西弁は、幼い子供でもテレビなどで聞いた事があるかもしれないし、意味が伝わるからだろう。
更に関西弁はリズムがあるように感じる。読んでいて面白いと感じる。だから年齢層が幅広い少女漫画『りぼん』でここがポイント!!という場面などでは使用頻度も高いのかもしれないと思った。
そして三木三智也のように非関西弁話者が真似して使用したくなるような言語であるのかとも思った。標準語使用者が関西弁を見たり聞いたりすればインパクトはかなりある。聞き慣れていない関西弁を聞いて自分も真似したくなるのはよくあることだろう。
そして1990年代も2000年代も共通点として「喜怒哀楽」が表れているということだ。つまり1990年も2000年代も関西弁は少女漫画『りぼん』において重要な役割を持って使用され続けていると感じた。


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