国文学科2年 山口奈々
非恒常的方言使用は漫画内ではどの程度あらわれ、どのような効果をもって使われているのか調べた。
今回の分析対象テキスト全12作品のうち非恒常的方言使用が見られたのはわずか2作品であった。
作中に恒常的方言使用、非恒常的使用方言使用が確認された時点で1カウントとした結果、右図のようになった。
全12作品中、恒常的使用のみが10作品、恒常的・非恒常的の両方使用していたものが2作品であった。
キャラクター別に見てみると、非恒常的の比率は作品別に比べ若干下がった。
また、登場シーンが1コマのみのものは「不明」としたが、3人中2人の容姿が使用方言のステレオタイプ的な印象であった。そのため、作者は恒常的方言使用者として描いていると思われ、「非恒常的」の比率はさらに下がると予想される。
以上のことから非恒常的方言使用は非常に少ないということがわかった。
しかしギャグシーンを一言でわかりやすく見せたり(関西弁臨時使用の例)、使用相手によって方言が出たり(限定的方言使用の例)と、使用場面におけるその効果は恒常的方言使用よりもはるかに大きいと思われる。