国文学科２年 山下文子
1.調査項目
大阪弁
2.作品について
表１＜対象作品･キャラクターデータ＞
| 作品名 | エア・ギア |
|---|---|
| 作者 | 大暮維人 |
| 掲載誌巻号 | 平成17年(2005年)12号～39号 |
| 単行本 | 11・12巻 |
| 単行本刊行年 | 2005年8月 |
3.使用方言について
| 方言使用キャラ | ヨシツネ |
|---|---|
| キャラ設定 | 関西最大最強のチームのリーダー。全てのライダーの頂点を目指す主人公イッキにとって避けられないライバル。上の組織の決定により、イッキのチームに入ることになったが、それに反発し、イッキのリーダーとしての器を量るべく戦いを挑む。イッキは苦戦しながらもその戦いに勝ち、ヨシツネは敵のような存在から最終的には仲間になる。 |
| キャラ生育地 | 推測可 |
表４ 大阪弁のステレオタイプ
| キャラの特徴 | 大阪弁のステレオタイプ１ （参考文献［1］） | 大阪弁のステレオタイプ２ （参考文献［2］） |
|---|---|---|
| ・二面性がある ・リーダー気質 ・合理的 ・ずる賢い ・楽天的 ・騒々しい ・下品 ・プライドがある ・地元愛が強い |
記述なし | ・庶民的 ・伝統がある ・合理性がある ・あたたかさがある ・ずぶとい ・気が強い ・方言に対して誇りがある ・地元愛が強い |
4.考察
- 大阪弁の話者であるヨシツネは、合理的で楽天的で関西を誇りに思っている。これは、大阪弁のステレオタイプ「合理性がある」「地元愛が強い」など、ほとんどに当てはまる。
- ヨシツネは、リーダーとしてチームのことを考えて厳しい発言をすることもあるが、ふざけた発言も多いという、二面性が見られる。
- 作品の中で大阪弁を使っているのはヨシツネのみであった。これにより、標準語を使う主人公とその仲間たちから浮き上がり効果が見られる。また、大阪弁のステレオタイプが際立っている。
- この作者は「関西弁を使うキャラクターを好んで登場させる」(参考文献［3］)という傾向がある。そのため、関西弁である大阪弁を用いたということが考えられる。
- 作者は作品の中で、方言話者であるヨシツネは大阪弁を使用しているが、これは、ヨシツネのキャラクター設定と大阪弁のステレオタイプが一致したため使用したのか、それとも、大阪弁を使用するキャラクターを作品に登場させたくて大阪弁のステレオタイプから作られたキャラクターなのか、どちらなのかはわからなかった。
参考文献
［1］三井はるみ(2003).「地元方言のイメージ」,『新「ことば」シリーズ』国立国語研究所,16:88-89.
［2］三浦千恵(2008).「言語の「使い分け」と心理～方言における東北人の劣等感はなぜ存在するのか～」4-14
［3］Wikipedia 「大暮維人」2009年12月14日（月）12：15
