国文学科2年 黒子 萌
登場人物の恋愛模様を中心に描かれる「恋愛漫画」というジャンルにおける方言使用キャラクターの傾向を分析し、そのイメージと作品内での役割を考察する。
キャラクター名(作品名) | 性別 | 使用方言 | 性格 | 立ち位置 |
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近衛木乃香(魔法先生ネギま!) | 女 | 京都 | おっとり・明るい・家事が得意・時々ツッコミを入れる | メインヒロインの友人(ヒーローが担任で、メインヒロインのクラスメイト/ヒーロー・ヒロインとは寮で同室) |
和泉亜子(魔法先生ネギま!) | 女 | 関西? | 活発・ツッコミ役 | メインヒロインの友人(ヒーローが担任で、メインヒロインのクラスメイト) |
紺野みつね(ラブひな) | 女 | 関西? | 明るい・多弁・お調子者・積極的 | メインヒロインの友人(メインヒロイン・ヒーローと同じ寮に居住) |
カオラ・スゥ(ラブひな) | 女 | 関西? | 明るい・多弁・甘えん坊 | メインヒロインの友人(メインヒロイン・ヒーローと同じ寮に居住) |
キリコ(ガチャガチャ) | 女 | 大阪 | 多弁・ツッコミを入れる・積極的 | バーチャル界からヒロインの体に憑依し、ヒーローを振り回す |
朔弥(KAGETORA) | 女 | 関西? | 明るい・積極的・面倒見がよい | ヒーローの幼馴染み(自称ヒーローの許嫁) |
浅井咲希(涼風) | 女 | 広島 | 明るい・自由奔放 | ヒーローの幼馴染み(ヒーローの初恋の相手) |
方言使用は女性キャラのみである。これはいわゆるハーレム漫画(男性キャラ(ヒーロー)に対して、対置する女性キャラ(ヒロイン)が多い)の要素が少年誌恋愛漫画には多いことも要因の一つと思われる。
7人中6人が関西方言を使用していた。
(図4-1)
*今回分析対象とした作品は、それぞれの方言使用キャラクター初登場話掲載巻である。
方言使用キャラの性格は基本的に外向的である傾向が強い。
明るい、おしゃべり、積極的などの特徴が顕著に現れている。
恋愛漫画において方言使用キャラクターは幼馴染みである、寝食を共にしているなど、ヒーローもしくはメインヒロインに近しい存在として登場する傾向にある。今回の分析では関係の深さについてヒーロー・ヒロインどちらか一方への偏りはみられなかった。
これらの方言使用キャラクターはヒーローやヒロインとの関係を生かし、彼(彼女)らに対して積極的に何らかのアクション、働きかけを行い、気持ちの変化を起こす役割を担っているといえる。また方言を使用することによって、よりキャラクターの個性を際立たせているのではないだろうか。