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国文学科２年　小林依里子

まず、方言キャラクターの性格分析を行っていきたいと思う。
調査対象となる方言キャラクター数が膨大なため各キャラ性格設定が細かく分かれ、この分析においては各方言キャラのキャラ性格を明るい、真面目、短気、冷静、いいかげん、うるさい、その他の７つの分析用キャラ性格項目を用意し最もあてはまるものを振り分け、集計結果を表2-1-1まとめた。

表2-1-1　キャラ性格集計

表2-1-1から気づけること

雑誌区分比較による調査特有の発見としては、雑誌区分別少年誌や青年誌などの男性向けの雑誌では明るいに続いて真面目が多くみられるのに対し、少女誌や女性誌などの女性向けの雑誌では冷静が多くみられた。そこで下の表2-1-2に真面目と冷静のキャラ性格に該当した方言キャラをまとめた。

表2-1-1

表2-1-2でも確認できるように、男性向け雑誌に掲載されている作品では、何かに真剣な俗に言う熱血キャラ、もしくは性格面や外見面において目立った特徴や癖のない地味なキャラがちらほら登場している。一方女性向け雑誌に登場する方言キャラクターは、少年誌や青年誌に登場する真面目キャラに比べ対外表情が乏しく、一見周りに対して冷めている方言キャラ、もしくは無表情ではないにしてもあまりその場の状況に流されない方言キャラ、俗に言うクールキャラが多くみられた。
しかし、「男性向け雑誌は方言キャラクターに熱血キャラを求め、女性誌はクールキャラを求めている」と簡単に結論を出すことは出来ない。この発見について研究するには問題点が多く存在する。まず、今回の研究に利用した雑誌があくまでも各雑誌区分における売上上位層３位を用いていて、他にもまだまだ漫画雑誌が存在すること。更にその選んだ雑誌が一つの雑誌につき１冊しか用意できなかったこと。
そして最も重大な問題点は、設定によっては一つの方言キャラに特別性を見いだせないことである。例えば、ヤングマガジンの「何わともあれ」は大阪が舞台設定であり登場人物のほとんどが関西弁を話しているし、BE・LOVEの「レッド・リン」は和歌山、同じくBE・LOVEの「ゴーガイ！～岩手チャグチャグ新聞社～」は岩手県が舞台となっている。そのため本格的にこのことについて詳しく研究していくには、時間、労力、そしてお金が必要となってくる。