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田中ゆかり

このサイトは、2012年度後期(水曜4限)に開講した基礎演習2の授業成果報告です。2012年度は、マンガにあらわれる日本語の「方言」がどのように作品中で用いられているか調査・検討することをこの科目の目標としました。その目標はどの程度達成されたでしょうか。
漫画のジャンルによって同じ「方言」でも作品内での扱われ方や機能が異なることを明らかにしようとしたもの、雑誌を限定しその雑誌における「方言」の使われ方の特徴をみようとしたもの、日本語ネイティブでないキャラクターに「方言」が付与されているケースを分析したもの、主要な舞台が地方に設定された作品における「方言」の使われ方を検討したもの、「方言」がキャラクター造形にどのようにかかわっているのかについてみたもの ― 班ごとにさまざまなアプローチをした結果をまとめたものが、このサイトです。
日常、漫画のような創作物に触れる際、そこで用いられる「ことば」に注目することは、あまりないかもしれません。しかし、そこで当たり前のように使われている「ことば」は、今という時代や、漫画なら漫画というメディアにおけるニホンゴの水準をよく示すものです。今回は漫画を素材して、「方言」の水準を探ることをテーマとしましたが、漫画は、さまざまな「役割語」や「外国語」の表象など、他にもさまざまな観点から分析をすることが可能な素材です。本サイトに掲載したレポートは、拙いところはあるとは思いますが、ご一読いただけると幸いです。
なお、このクラスは、メイリングリストやデータの管理、実習などのための授業補助を林直樹さん(博士後期課程2年・RA)にお願いしました。この報告書ならびにweb報告書作成にも尽力していただきました。改めてお礼申し上げます。