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0311117 伊藤 惇
0311119 潮田 久
0311130 小林正洋

6.1.調査概要

6.1.1.目的

キャラクターの年代やジャンルは同じだが、舞台となっている主要な地域が東京・北海道・福岡と分かれたマンガに登場する方言キャラと、その他のキャラを比較し、方言の使われ方を分析する。

6.1.2.調査対象の抽出方法

・舞台となる主要な地域が違う(東京、北海道、福岡)
・学園もの
・2000年~今日までに出版された作品
・魔法の使用など、世界観が違いすぎるものは対象としない
・少年誌に掲載された、されている作品
・分析対象キャラクターは高校生限定

6.1.3.調査対象作品

スケットダンス、涼風、銀の匙-Silver Spoon-、スケッチブック

調査対象キャラクター

[スケットダンス]
鬼塚一愛

[涼風]
秋月大和

[銀の匙-Silver Spoon-]
八軒勇吾.御影アキ.駒場一郎.別府太郎.西川一

[スケッチブック]
麻生夏海.鳥飼葉月

6.1.4.分析の方法

ふきだし数、方言セリフふきだし数、標準語セリフふきだし数に注目して分析する。

6.5.班全体のまとめ

6.5.1.方言ワールドでの方言

今回取り上げた北海道と九州という2つの方言ワールドには、標準語話者がハズレか方言話者がハズレかという違いがあった。
銀の匙の方言は、地域共通性(=ハズレの存在を作り出す)と、ハズレの異質さの強調
スケッチブックの方言は、ハズレの存在であることによる個性を際立たせること以外の目的は含まれていなかった。
⇒方言ワールドのキャラクターが方言を使うかは、そのキャラクターの設定に左右されるのではないか。どちらの作品も「ハズレによるキャラ付け」ということに関して共通していた。
方言ワールドなのに方言話者が一人しかいないスケッチブックのような方言の使用法は、新鮮で面白かった。

6.5.2.総括

方言ワールドでの方言も共通語ワールドでの方言もその効果は同じで、ハズレを作ることによりそのハズレの存在のキャラ付けのための用法と言えるだろう。

参考文献リスト
井上史雄(2008).社会方言学論考 第3章 地域方言と社会方言の連続性 明治書院
井上史雄(2008).社会方言学論考 第18章 丁寧表現の現在-デス・マスの行方- 明治書院
銀の匙-Silver Spoon-公式サイトhttp://www.shogakukan.co.jp/pr/ginsaji/story.html
全国方言友の会(1994).北海道弁、東北弁、大阪弁、広島弁 双葉社
田中ゆかり(2011).「方言コスプレ」の時代ニセ関西弁から龍馬語まで 岩波書店
田中ゆかり(2012).「方言」の受けとめかたの移り変わり:全国方言意識調査からみる年齢差・地域差 日本語学,31(11)