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第1章 はじめに

田中ゆかり

1.1 このサイトの背景

このサイトは、2013年度後期(水曜4限)に開講した基礎演習2の授業成果報告です。「基礎演習」は、国文学科の専門科目のひとつで、2年次配当の選択必修科目で、3・4年次からの特殊研究ゼミナール選択のためのプレゼミという位置づけにある科目です。国文学科では大きく日本文学・日本語学・諸学の3分野に分かれており、担当教員の専門によって学習する内容が異なります。田中担当の基礎演習は、現代日本語学の方法を学ぶことを目的としています。

2013年度は、各種メディアにあらわれる日本語の「方言」がどのように用いられているか調査・検討することを通じて、現代の“日本”において「方言」がどのように受容されているのかをみていくことをこの科目の目的としました。本サイトは、この「基礎演習2」履修者によるレポートを、まとめたものです。

1.2 授業の方法

この授業は、グループによる演習形式で行いました。授業開始期の全体討議により、グループやグループごとの調査目標を定めました。各グループは、目標に従い調査企画を立て、調査企画についての発表を通じて、調査企画を練り直しました。立て直した調査企画に基づき、グループごとにデータ収集と分析を行ない、分析結果の一部について発表を行ないました。発表者は、対面やメイリングリスト経由で発表に対するフィードバックを受け、2種類の最終課題(サイト報告書、web報告書)を作成しました。

なお、この授業は、PC室で、実習を伴うものであったため、TA・廣瀬義人さん(博士前期課程1年)による授業補助を得ました。また、クラスの運営に科目専用のメイリングリストを構築しました。

1.3 授業の進め方

この授業は次のような流れで行いました。

第01回 09/25 ガイダンス、グループ分け ※1班:3人目安

第02回 10/02 調査方針・班ごとの担当項目検討

第03回 10/09 調査方針・班ごとの担当項目検討

第04回 10/16 調査方法・項目検討

第05回 10/23 調査方法・項目確定

…10/30 授業予備日(各班調査)…

第06回 11/06 各班分析

第07回 11/13 各班分析

第08回 11/20 各班報告準備

第09回 11/27 報告1

第10回 12/04 報告2

第11回 12/11 報告3

第12回 12/18 データ持ち寄り&グループごとに報告書内容など検討

…冬休み…

第13回 01/15 サイトデータ集積・整形

第14回 01/22 HPデータ集積・整形

第15回 01/29 課題表紙・中表紙・目次等作成:報告書データの完成

※2月中に報告書・サイト完成予定:完成したら授業用MLで周知

1.4 参考文献

授業の導入として以下の文献やサイトを示しました。

木下順二(1982).戯曲の日本語 大野晋・丸谷才一(編) 日本語の世界12 中央公論社

木部暢子他編著(2013).方言学入門 三省堂

金水 敏(2003).ヴァーチャル日本語 役割語の謎 岩波書店

金水 敏(編著)(2007).役割語研究の地平 くろしお出版

金水 敏(編著)(2011).役割語研究の展開 くろしお出版

小林隆編(2007).シリーズ方言学3 方言の機能 岩波書店

定延利之(2005).ささやく恋人,りきむレポーター 口の中の文化 岩波書店

定延利之(2006).日本語不思議図鑑 大修館書店

定延利之(2011).日本語社会のぞきキャラくり 三省堂

佐藤和之・米田正人(1999).どうなる日本のことば 大修館書店

田中ゆかり(2011).「方言コスプレ」の時代―ニセ関西弁から龍馬語まで― 岩波書店

田中ゆかり(2012).「リアルな土地から離脱するCM方言―軽やかなローカリティーの獲得―」『宣伝会議』835,宣伝会議

中井精一(2004).お笑いのことばと大阪弁―吉本興業の力とは― 日本語学,23(10).

松本修(2010). 「お笑い」日本語革命 新潮社

『文学』《特集》ステレオタイプ,7(6).岩波書店

『文学』《特集》言と文,8(6).岩波書店

このマンガがすごい!編集部(編)(2008).ご当地マンガMAP このマンガがすごい! SIDE-B.宝島社

『マンガにあらわれる「方言」2』(私家版)(2013年02月)pp.1-53

『マンガに現れる「方言」』(私家版)(2010年02月)pp.1-111

【参考サイト】

マンガにあらわれる「方言」2

マンガに現れる「方言」