0312028 高須勇人
0312086 千葉 楓
0312092 中村元尚
0312854 朴 志炫
原作から多様なジャンルに広がっている『テニスの王子様』をアニメと漫画の比較から方言使用キャラクターの性格やセリフの表現方法、役割がどのように変わっているかを調査したい。また、原作の日本漫画と韓国版の漫画の比較、日本アニメと韓国版の漫画の比較から翻訳の視点でも比較していく。
漫画とアニメのセリフをそれぞれのキャラクターから取り出し、文ごとに区切り、方言がどの位置で出てくるかを調べ、そこからなにが言えるかそれぞれ分析した。
表1 調査対象作品
表2 調査対象キャラクターのリストと分析対象データサンプル数
キャラクターはそれぞれの方言においてセリフの数がそれなりに期待でき、登場シーンが多いものを選定した。 上記の表の漫画のセリフについては吹き出し一つにつき一つのセリフ、アニメのセリフは言葉の区切れ目を一つのセリフとして集計した。 また話数は膨大になってしまう為、方言使用キャラクターが主として登場しているシーンのみに限定した。
各キャラクターの方言使用部分に注目する。大阪は語尾、文末に方言が多く出てくるのでそこに着目する。熊本は特に使用頻度の高かった助詞表現、沖縄は方言の発音に注目して作中のキャラクター性との関係について調べた。また、両キャラクターの初登場シーンと試合中の特に方言表現が表れている箇所を抜き出し、比較して考察した。
アニメにメディアミックスされることによって方言の影響が強くなり、方言使用キャラクターに方言イメージを付与する傾向があるということが分かった。また漫画の作者の意図で心理表現は標準語で喋る傾向があることが分かった。
関西弁キャラの台詞には方言文末表現が多用されており、語彙方言も多様であることがわかった。また、否定形も多様であり、拗音も多用されていた。これらは文にさらに強調性を増していることがわかった。
熊本弁は『~ばい』『~たい』を初めとする九州方言が熊本という地域の中で細分化され、その影響が方言使用キャラクターに強く現れていた。沖縄弁は表現のルーツが古語にあることが分かったが、それが直接キャラクターに影響を与えていないことがわかった。
日本の漫画で使用される方言が翻訳されるのは作品によって違うが、『テニスの王子様』の韓国語翻訳版の場合は日本の方言が韓国語の方言に対応されなく、心理表現・文末・文末以外・感嘆表現・人称・自称・品詞・挨拶・決め台詞のすべてが標準語で訳されていた。そのため、言葉では日本語版での方言使用キャラクターの性格が原作ほど反映されなかったが、それ以外の要素たとえば、キャラクターの表情・行動などの絵から見られるキャラクターの性格は両国語の漫画で伝えられていると考えられる。
【参考文献】
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