使った質問
I‐1 性別
II-1~4 以下の丁寧語を使うか
「そこのお店に入ろうよ」
「そろそろ、ご飯にしようか」
「あ!お財布を教室に忘れた!」
「先週、お旅行に行ったそうですね」
質問項目
- ①質問項目は、菊地康人『敬語再入門』からランダムに選出。1~3の質問で美化語の使用度を調査する。
- ②「お+和語」、「ご+漢語」と使い分けるため、4.「お旅行」は誤り。これによって誤用の認識を調査する。
統計データ
結果
女性がほぼ100%に近い確率で「使用する」と回答したのに対し、男性は女性ほど「使用する」という回答がなかった。したがって、仮説通り、「男性よりも女性の方が丁寧語(美化語)の使用率が高い」といえる。
また「お旅行」の誤用に関しては、全員が「使わない」と回答した。
先行研究
国語に関する世論調査①
国語に関する世論調査②
国語に関する世論調査③
- Q.相手が自分と同性であるか異性であるかによって,自分の言葉遣いの丁寧さが変わるか。
- A.「変わらないと思う」56.2%
「変わると思う」34.6%
- Q.丁寧さがどう変わるか。 (言葉遣いの丁寧さが「変わると思う」と答えた人に)
- A.「異性と話すときの方が,同性と話すときより丁寧な言葉遣いになると思う」80.5%
考察
考察①
- ・授業での模擬調査や先行研究②において、どの項目でも女性の方が「使用する」と答えた割合が高い。これは、「お/ご」をつけることで言葉遣いが丁寧に感じられるので、女性らしさを表現することができるからだと考えられる。
- ・先行研究③では、話す相手の性別によっても、言葉遣いが変わるという結果が得られた。
考察②
授業での模擬調査と先行研究で、性差が40%以上あるものは、「財布」「弁当」「皿」「酒」「米」「茶わん」である。これらは料理に関係する言葉が多く、女性と強いかかわりがある語だと考えられる。
また、家計のやりくりをするのは女性が多いので、「財布」も女性にかかわる語だと考えられる。
考察③
先行研究において、全体で「使用する」と回答したのが50%以上だったのは「弁当」「皿」「酒」「米」であった。
したがって、女性とかかわりの強い語は「お/ご」をつけて使用されることが多いと言えるのではないか。
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