敬語の使用には、少なからず性別・敬語への関わり方の個人差などによって違いが現れることが分かるが、より仮説を深く検証するためには多くのサンプルが必要である。さらに、敬語が言語である以上、常に変容しているものであることを理解して研究する必要がありそうだ。
最後に、平成9年度と平成16年度に行われた「国語に関する世論調査」より敬語のこれからに対する世論意識を紹介する。
☆あなたは、これからの時代の敬語はどうあるべきだと思いますか。
あなたの考えが(a)と(b)のどちらに近いかをお答えください。
※()内は9年度では省略。【 】内の数値は9年度の結果
(a)(新しい時代にふさわしく、)敬語は簡単で分かりやすいものであるべきだ
(b)敬語は(伝統的な)美しい日本語として、豊かな表現が大切にされるべきだ
⇒(b)の考えが増加していることがみてとれますが、それに反して、誤用敬語の氾濫などが起こり、それが正しいものとして扱われるようになるといった変化が起きていることも興味深い。
■敬語再入門 菊地康人
■「そのバイト語はやめなさいープロが教える社会人の正しい話し方-」 小林作都子
■国語に関する世論調査 平成7年度
■国語に関する世論調査 平成9年度
■国語に関する世論調査 平成16年度
■国語に関する世論調査 平成17年度