0312156 森真都香
大阪を舞台とし、大阪出身の高校生がヒーローヒロインである『ラブ★コン』において、大阪弁が作品に与える影響を考える。
図1 非共通語の語数分布(小説)
※アツシのセリフ数は表現上マイナスとした
図2 非共通語の語数分布(映画)
大阪の方言ステレオタイプは、先行研究より「おもしろい」「怖い」などがある。
大阪弁を抜き出したこれらの結果より、
①基本会話が漫才風⇒おもしろいイメージを生む
②強い口調に感じられる大阪弁⇒怖いイメージを生む
ということが考えられる。リサ・アツシのキャラクターにも大阪のステレオタイプが反映されていることがわかる。
関東圏の人間から「関西弁」というと、関西で全体的に同じであるイメージの人が大半だと思われる。また、そのイメージは大阪弁のものであることが多い。しかし関西出身の人に質問した結果より、出身地によって方言に対して持っているイメージは異なることがわかった。
作品内では関東圏などからの一般的なイメージが利用されているといえる。出身地によって持っているイメージが異なるにも関わらず、ステレオタイプを作品内のキャラクターに用いることは、やはり読者や視聴者にわかりやすく印象づけるためであると考えられる。大阪弁は作品にこのような役割を持って用いられている。