表6 神崎薫の方言ステレオタイプ
このドラマのヒロインは、人情があり、男っぽく強気な性格である。主な外見は、髪がストレート、化粧は薄い。眉や格好はきちんとしている。広島県の方言を使用していることで、強いや怖いといった印象を与えることができているように思う。
表7 広島県の方言ステレオタイプ
表8 『極悪がんぼ』
参考資料から、広島県の方言ステレオタイプは「怖い」という印象が強いと読み取れる。これは、ヒロイン薫の方言ステレオタイプに当てはまる。このことから、広島県の方言が、事件屋として生きていこうとする薫の性格や役割に合っていると考える。
○場面数
ヒロインが言葉を発する場面の総数
図4 第1話場面数
図5 第6話場面数
図6 最終話場面数
○セリフの抜粋
表10
話 | セリフ | 場所 | 相手 | 役割 | シチュエーション | 開始後(分後) |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | かばちたれんな! | 怪しい島 | 若い女 | 1話のキーパーソン | 島から逃げるのに渋っている女に喝を入れる | 約42分後 |
1 | あんた娘に顔向けできんような女になりたいんか | 同上 | 同上 | 同上 | 同上 | 同上 |
1 | 早よ! | 同上 | 同上 | 同上 | 同上 | 同上 |
1 | これからはきっちりカタにはめたるわ | 小清水経営コンサルタント事務所内 | 小清水元 | 小清水経営コンサルタントの所長 | 事件屋に雇ってもらうために、契約書にサインする | 約56分後 |
6 | 人をなめとるんはどっちね? | 投遣警備保障 | 投遣健介社長 | 投遣警備保障社長 | 株を使って会社を乗っ取る | 約37分後 |
6 | 警察なんか使ってようも事務所を荒らしてくれたね | 同上 | 同上 | 同上 | 同上 | 同上 |
6 | 犬神とつるんどることバラしちゃろうか | 同上 | 同上 | 同上 | 同上 | 同上 |
11 | そしたらあんた刑務所行きじゃねぇ | 同上 | 同上 | 同上 | 同上 | 約38分後 |
11 | あんたはあたしにカタにはめられたんじゃから、あたしの言うこと聞いとりゃええんじゃ | 喫茶店 | 金子千秋 | 小清水経営コンサルタントのベテラン所員 | けんか | 約29分後 |
11 | カタにはめたろうか | レストラン | 茸本和磨 | 薫の元恋人 | 今月分の取り立てに訪れ、冗談で言った | 約48分後 |
『極悪がんぼ』では、主人公兼ヒロインの神崎薫が方言を使用するのは、話の終盤多い。具体的には、相手をカタにはめる場面や感情的になる場面である。また、方言は長く使用されるわけではなく、トドメのセリフで使われることが多い。 胸ぐらを掴んだり、眉間にしわを寄せながら言う方言のセリフは、広島弁に関して非常に合っていると感じた。