0313066 黒川真生
0313101 井上義幸
2000〜2014年9月までの月9(全57作品)の一話を観て、ヒロインが方言を使っているかどうかを調査する。その後方言を使用しているドラマの中間回と最終回を閲覧し、ヒロインのセリフ数や方言使用セリフ例等を抽出する。
表1 調査対象ドラマ一覧
放送年 | 作品名 | ヒロイン名 | 方言使用 |
---|---|---|---|
2000 | 二千年の恋 | 真代 理得 | × |
2000 | 天気予報の恋人 | 原田 早知 | × |
2000 | バスストップ | 小谷 夏生 | × |
2000 | やまとなでしこ | 神野 櫻子 | × |
2001 | HERO | 雨宮 舞子 | × |
2001 | ラブ・レボリューション | 浅丘 恭子 | × |
2001 | できちゃった結婚 | 小谷 チヨ | × |
2001 | アンティーク 〜西洋骨董洋菓子店〜 | 飯塚 桃子 | × |
2002 | 人にやさしく | 榊 のぞみ | × |
2002 | 空から降る一億の星 | 堂島 優子 | × |
2002 | ランチの女王 | 麦田 なつみ | × |
2002 | ホーム&アウェイ | 中森 かえで | × |
2003 | いつもふたりで | 谷町 瑞穂 | × |
2003 | 東京ラブ・シネマ | 卯月 晴子 | × |
2003 | 僕だけのマドンナ | 片岡 するみ | × |
2003 | ビギナー | 楓 由子 | × |
2004 | プライド | 村瀬 亜樹 | × |
2004 | 愛し君へ | 友川 四季 | × |
2004 | 東京湾景〜Destiny of Love〜 | 李 美香 | × |
2004 | ラストクリスマス | 青井 由季 | × |
2005 | 不機嫌なジーン | 蒼井 仁子 | × |
2005 | エンジン | 水越 朋美 | × |
2005 | スローダンス | 牧野 衣咲 | × |
2005 | 危険なアネキ | 皆川 寛子 | ○ |
2006 | 西遊記 | 三蔵法師 | × |
2006 | トップキャスター | 椿木 春香 | × |
2006 | サプリ | 藤井 ミナミ | × |
2006 | のだめカンタービレ | 野田 恵 | × |
2007 | 東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜 | 佐々木 まなみ | × |
2007 | プロポーズ大作戦 | 吉田 礼 | × |
2007 | ファースト・キス | 福永 美緒 | × |
2007 | ガリレオ(第1シリーズ) | 内海 薫 | × |
2008 | 薔薇のない花屋 | 白戸 美桜 | × |
2008 | CHANGE | 美山 理香 | × |
2008 | 太陽と海の教室 | 榎戸 若葉 | × |
2008 | イノセント・ラヴ | 秋山 佳音 | × |
2009 | ヴォイス〜命なき者の声〜 | 久保秋 佳奈子 | × |
2009 | 婚カツ! | 飛田 春乃 | × |
2009 | ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜 | 白河 莉子 | × |
2009 | 東京DOGS | 松永 由岐 | × |
2010 | コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 2nd season | 白石 恵 | × |
2010 | 月の恋人〜Moon Lovers〜 | 二宮 真絵美 | × |
2010 | 夏の恋は虹色に輝く | 北村 詩織 | × |
2010 | 流れ星 | 岡田 梨沙 | × |
2011 | 大切なことはすべて君が教えてくれた | 上村 夏実 | × |
2011 | 幸せになろうよ | 柳沢 春菜 | × |
2011 | 全開ガール | 鮎川 若葉 | × |
2011 | 私が恋愛できない理由 | 藤井 恵美 | × |
2012 | ラッキーセブン | 水野 飛鳥 | × |
2012 | 鍵のかかった部屋 | 青砥 純子 | × |
2012 | リッチマン、プアウーマン | 夏井 真琴 | × |
2012 | PRICELESS〜あるわけねぇだろ、んなもん!〜 | 二階堂 彩矢 | × |
2013 | ビブリア古書堂の事件手帖 | 篠川 栞子 | × |
2013 | ガリレオ(第2シリーズ) | 岸谷 美砂 | × |
2013 | SUMMER NUDE | 千代原 夏希 | × |
2013 | 海の上の診療所 | 戸神 眞子 | × |
2014 | 失恋ショコラティエ | 高橋 紗絵子 | × |
2014 | 極悪がんぼ | 神崎 守 | ○ |
2014 | HERO(第2シリーズ) | 麻木 千佳 | × |
2000〜2014年9月までに放送された月9(全57作品)
ヒロインのセリフからわかる標準語と方言の割合や使用例を抽出し、それがどのような意味を持つのか考察する。その後、抽出したデータと『語文』(2012 142巻)の「イメージ語からみた方言ステレオタイプ」中の方言イメージの表とヒロインの性格を比較する。
全57作品の一話を確認したところ、ヒロインが方言を使用している作品は2作品だけでありおよそ4%であった。月9で方言ヒロインが用いられることはほとんど無いことが読み取れた。
2000〜2014年9月までに放送された57作品のうち、わずか2作品しか方言ヒロインが登場しないという点は非常に興味深かった。
ステレオタイプについては『危険なアネキ』と『極悪がんぼ』で異なる結果となった。『危険なアネキ』では、方言が場所的なステレオタイプを示すのではなく、方言自体がもつステレオタイプを示しているのではと考えられた。その一方で『極悪がんぼ』は広島弁のもつステレオタイプとヒロインの性格が合致しており、ヒロインのキャラクターをイメージさせやすくするための役割が方言に与えられていた。
金水敏・田中ゆかり・岡室美奈子[編](2014)『ドラマと方言の新しい関係 『カーネーション』から『八重の桜』、そして『あまちゃん』へ』 笠間書院
田中ゆかり(2012) 「イメージ語からみた方言ステレオタイプ」『語文』142 106-92 日本大学国文学会