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3.3.担当作品から見た関西弁の役割 Mr.ディーズ、シュレック3、LIFE!(字幕)(渡邉もも)

3.3.1.テーマ

担当3作品内で吹き替え版時に関西弁を使用しているキャラクターに注目し、関西弁使用時とそうでない時とでキャラクター性にどのような違いが出てくるのか、また関西弁がキャラクター性に与える影響について考えた。

3.3.2.担当3作品から見たキャラクター性

まず分析観点(班ページ3.1.4.分析の方法を参照)の13項目にキャラクターがどれくらい当てはまるのかを見てみた。グラフの関係上【外見】の項目だけ別にしてある(表2)。また、13項目中【外見】は○×で判断出来ないのでこの後のデータ、分析は12項目に当てはめたものとする。

表2.キャラクターの外見

※キャラクターの外見については原語版も吹き替え版も同じなので1つの表にしてある。

表3.吹き替え版

表4.原語版

表3と表4を比較すると見た目でわかるほど大きく結果が変わったということはないが、【当てはまる○】の部分に違いが見え、【どちらとも言えない△】の数も吹き替え版より原語版の方が増えていることがわかる。
さらに、【当てはまる○2点】【当てはまらない×0点】【どちらとも言えない△1点】という風に点数を付けてみると、吹き替え版27点、原語版24点という結果になった。これは関西弁のイメージに当てはまった度合を表していると言え、吹き替え版の方が関西弁のイメージに当てはまっていることがわかる。

3.3.3.考察・まとめ

調査結果より、吹き替え版と原語版では吹き替え版の方が関西弁のイメージに当てはまっていることがわかった。点数の部分での比較からもわかるが表3、表4の【当てはまる○】の数にも違いが見え関西弁イメージが反映されることで、よりキャラクター性を表現できることがわかった。表2の【外見】の項目からわかるように、吹き替え版と原語版とで全く同じ印象の外見であるのにキャラクター性に違いが出たのにはやはり関西弁にキャラクターの面白さや細かいニュアンスを伝える役割があるということを表しているのではないかと考える。

また同じ人物でだいたい同じセリフなのにも関わらず関西弁の反映度に違いが出てきた理由としては原語版に字幕を付ける際、関西弁に直しきれない部分が出てきてしまうことが原因に挙げられるのではないかと考えた。

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