3人の性格を以下の表に当てはめてみると以下のような結果が得られた。なお、◎がよくあてはまる、〇がまああてはまる、△があまりあてはまらない、×がまったくあてはまらないとし、「冗談好き」から「やくざ」の7種類までが金水(2003)で定義されている大阪弁キャラクターのステレオタイプで、残りの「穏やか」と「照れ屋」は『ラブ★コン』の当てはまる性格を追加した。
表3 キャラクター性格分析
キャラクター名 | 冗談好き笑わせ好きおしゃべり好き | けち守銭奴拝金主義者 | 食通くいしんぼう | 派手好き | 好色下品 | ど根性 | やくざ暴力団こわい | 穏やか | 照れ屋 |
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中尾平吉 | △ | × | × | × | × | × | × | ◎ | × |
鈴木涼二 | × | × | × | × | × | × | × | ○ | ◎ |
池沢金之助 | ◎ | × | ○ | ○ | ○ | ○ | × | × | × |
図1(縦軸の単位は回、キャラクター名の下に使用率、方言使用回数は1つのセリフに複数の方言が使用されていても1回と数える)
図1を見ると、総セリフ数では『ラブ★コン』でメイン回があった鈴木涼二と『イタズラなkiss』の池沢金之助は同じくらいだが、方言使用率では中尾平吉と近くなった。
図2
図1、図2、表3を含めて、2作品の共通点と相違点を調査した。共通点として、図2から1つ目に使用される方言は語尾につくものが多かったことが挙げられた。2つ目に、中尾平吉の「みんなまっててくれたんやー」や鈴木涼二の「苦手やから」、池沢金之助の「地震や」などと3人と最も使用されている方言は「や」であった。3つ目に使われている方言は、読んでいても意味が分かるもので、独特な表現がなかった。
続いて相違点を挙げる。まず方言に関して、池沢金之助の方が、『ラブ★コン』の2人に比べて1回のセリフの量が多く、使用方言も多くなるため、方言使用率も一番高いといった違いが出た。次に性格に関して、池沢金之助はステレオタイプに当てはまるもの多く、『ラブ★コン』の2人はあまり当てはまらず、新しいタイプの性格であるという違いが出た。