方言の場面・属性差(1)

国文学科3年 栃原典子


三川町方言の場面差・属性差




1.はじめに


被調査者たちが、方言と共通語とを話をする相手・話をする場所によってどのように使い分けているのかどうかを明らかにすることを目的とする。



2.使用した調査項目


該当ページ5 問題番号6



3.分析データ概要


今回の調査で得られた被調査者の回答データは以下の3つに分けている。


1.若年層(12~29歳)  2.中年層(30~59歳)  3.高年層(60歳以上)

図1) 有効回答数

設問番号(1)(2)(3)(4)(5)(6)平均合計
若年層41414141414139.8245
中年層132132131132132131130.7790
高年層79787676777676.0462
平均83.082.081.781.782.381.782.2 
合計252251248248250248 1497


4.報告


4.1. 方言が1番多くでる場面は?また、共通語が1番多くでる場面は?

図1) 会話の相手と会話の場所別グラフ

報告

「家でくつろいでいる時と同じ方言を使って話す」状況が最も多いのは、鶴岡駅前で三川出身の友人と楽しい会話をするときだった。次いで同じ状況で、場所を酒田駅にした場合がほぼ同率。自分の家がある山形県内で友人と会話をするときには、やはり家の中と同じように話す人がほとんどであることがわかった。共通語を話す人は1割未満である。
「方言は使うが、家で使うよりも丁寧な方言を使って話す」状況が最も多いのは、東京駅前で三川出身の友人と楽しい会話をするときであった。項目1と2と大きく違うところは会話の場所が東京であり、周囲が共通語であるということ。しかし東京であるからといって、共通語を使用するという人は2割にとどまっている。家の中で使うよりも丁寧な方言を使用する人の割合は項目1と2よりも1割ほど高くなってはいるが、この状況でも家と同じ方言を使用する割合が1番多かった。仮説を立てたように、この項目において共通を使用する割合は若年層が多いのかは、これ以降の項目で分析をする。
「方言がなるべく出ないようにだいたい共通語を使って話す」状況が最も多いのは、鶴岡駅前で共通語を話す見知らぬ人に道案内をするとき、同じ状況で場所を酒田駅にしたときが同率1位であった。しかし、会話を共通語にするという割合のほうが上回ってはいる。
「共通語を使って話す」状況が最も多いのは、東京駅前で共通語を話す見知らぬ人に道案内をするときであった。周囲が共通語を話す東京駅前であるということ、会話の相手が初対面の見知らぬ他人であるという2つの疎遠状況が重なったことから項目6が共通語だけを使用して話す割合が1位になった。方言を使用する人の割合は1割以下となっている。

4.2. 使い分けを最も左右する原因は何か?
会話の相手を「三川出身の友人」と「共通語を話す見知らぬ人」の2種類に分類する。



図2) 会話をする相手別グラフ

報告

会話をする相手が三川出身の友人であれば、会話は方言が9割。共通語を話す他人であれば、会話は共通語が9割。よって全く正反対の結果が得られた。
これらのことから、会話に方言を使用するのか、共通語を使用するのかを最も左右するのは「会話をする相手」であることがわかった。