訪問された際のあいさつ

国文学科2年 小林奈保美


訪問された際のあいさつ行動




調査内容


今回、事前に用意したロールプレイング形式の面接調査用紙に沿って、三川町の方々に『訪問された際のあいさつ行動』について実際に演じていただき、相手との親疎によって方言と共通語の使用に差が生じるかを調査した。

調査内容は、
「A」=東京から来た初対面の人と会話する全三項目(A1~A3)
「B」=三川町の週に一、二回顔を合わせる親しい人と会話する全三項目(B1~B3)


の六項目である。



調査結果


回答を拍数(例:こんにちは=5、もっけだのー=6のように単純に字数を数えたもの)に直し、6項目をA(初対面の人),B(親しい人)の二つに分けて計算し、全体を比べた。

訪問された際のあいさつ

Aの回答が平均30.7に対し、Bの回答は25.7である。これは、初対面の人に対してのほうが親しい相手に対してよりも、丁寧な言葉遣いになっているからだと考えられる。
次に、項目ごとの拍数平均を出した。

訪問された際のあいさつ

こちらもすべて、初対面の人に対しての拍数が多い。

問1の答えにあまり差がないのは「はい」「どーもー」など、親しい人にも初対面の人にもかける言葉があまり変わらなかったからである。

問2はもっともはっきりとした差が出ているが、これは初対面の人とはあいさつ、親しい人とは回覧板を受け取る返事、とそれぞれに質問が違ったため、直接的な比較はできない。そのため傾向として見てみると、Aの回答種類は共通語が89%、Bの回答種類は83%と、やはり初対面の人に対しては共通語の使用が増えることがわかる。

問3はどちらも貰いものをしたときの返答。代表的な方言のひとつである「もっけ」はどちらにもとてもよく使われていたが、それもやはり親しい人に対しての使用比率がより高かった。

以上のことから、三川町の方々は親疎によって、ある程度共通語と方言の使い分けを行っていることがわかった。