方言の場面・属性差(2)

国文学科3年 藤田英美


三川町方言の場面差・属性差




三川町で生活し方言を使用する方たちは、その時々の場面や属性によって方言と共通語を使い分けるのかを調べたいと思いこのテーマを選択した。
1~9の相手と話すときにどの相手に丁寧か丁寧でないかを使い分けているのか、3つの世代を高年層(60~88歳)・中年層(30~59歳)・若年層(12~29歳)とわけて見てみる。
*データを図で表しているが、横軸の目盛りが多ければ多い程丁寧に話していることを表し、縦軸は相手の番号を表している。


≪相手≫
1.三川町の年上で親しい人の場合
2.三川町の同い年くらいで親しい人の場合
3.三川町の年下で親しい人の場合
4.三川町の年上で親しくない人の場合
5.三川町の同い年くらいで親しくない人の場合
6.三川町の年下で親しくない人の場合
7.年上で初対面の東京の人の場合
8.同い年くらいで初対面の東京の人の場合
9.年下で初対面の東京の人の場合


図1)

三川町方言の場面差・属性差

図2)

三川町方言の場面差・属性差

相手2・3には丁寧な言葉はあまり使用せず、相手4・7・8・9に対してはとても丁寧な言葉を使用していることがわかる。相手2・3に共通することは「三川町の親しい人」で、相手4・7・8・9に共通していることは年上や出身が東京の人など「親しくない人」という点が挙げられる。相手によって話し方を変えているのはあきらかだという結果がでた。
図(1)と図(2)を比較してみて、実際に使用している言葉の丁寧さと、意識している丁寧さはほぼ同じであることがわかり「年上で親しくない東京の人」に対して一番丁寧な言葉遣いを実際にもしていて、意識と言葉遣いが一致していることがわかった。