個人商店でのあいさつ

国文学科3年 船山千恵


個人商店でのあいさつについて




三川町では個人経営のお店に入るときに「ねー」や「かうー」と声をかけて入るという情報を手に入れました。非常におもしろいと思い、実際に調べてみることにしました。

子どもの頃に「ねー」と声をかけていましたか。
子どもの頃に「かうー」と声をかけていましたか。


という質問をしました。その結果を円グラフで示します。

個人商店でのあいさつについて

「かうー」に比べて、「ねー」のほうが使っていた人が多いことが分かります。
なぜでしょうか?何か使い方に違いがあったのでしょうか?
調査中に三川町の方からおもしろいお話を聞くことができました。それを以下にまとめました。

・お店だけでなくて近所の家を訪ねる時にも「ねー」を使っていた。  4人
・「ねー」は「こんにちは」の意味で使う  2人
・「ねーかうー」「ねーこんにちは」と使う  4人


つまり、「ねー」は「こんにちは」の意味を持ち、三川町の人にとってお店に行くときだけでなく、どんなときにも使うあいさつだったのではないかと考えることができます。子どものころはお店に行く機会よりも近所を訪ねる機会のほうが多い。そう考えると、「かうー」よりも「ねー」のほうが使っていた人が多いのも納得できます。

個人商店でのあいさつについて

今の質問を、年代別で分けてみました。その結果が上の2つのグラフです。
「ねー」「かうー」ともに50代より年上では使っていた人がとても多く、40代で半分半分、30代20代では使っていた人がほとんどいません。
昔はよく使われていたけど、最近ではほとんど使われていないことが分かります。

現在「ねー」や「かうー」以外にかけることばはありますか。

現在かけるあいさつ(n=99)
1位 ゴメンクダサイ類 47%
2位 コンニチハ類 38%
3位 スイマセン類 7%
4位 ドーモ類 3%
  その他 5%

さらに、現在かけるあいさつは標準語ばかりです。「ねー」や「かうー」はほとんど現在では使われていませんでした。若い人の間でも使われていません。

以上のことを踏まえると、残念ながら「ねー」と「かうー」のことばは今後完全に消滅してしまいそうです。