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4.3 個別分析1 (洞澤加奈)

4.3.1 作品について

舞台 大阪府
掲載雑誌名 集英社『別冊マーガレット』
映画公開年 2006年
映画脚本 鈴木おさむ
方言指導 山田能龍

表1 ラブコン 作品詳細

4.3.2 キャラリスト

キャラクター 小泉リサ 大谷敦士
属性 ヒロイン ヒーロー
キャスト 藤澤恵麻 小池徹平

表2 キャラクターリスト

4.3.3 方言の使用率

  総発話数 方言セリフ 方言使用率
小泉リサ(漫画) 243 125 51.40%
大谷敦士(漫画) 279 170 60.90%
小泉リサ(映画) 133 57 42.90%
大谷敦士(映画) 183 71 38.80%

表3 ヒロインとヒーローの方言使用率

図1 小泉リサ 方言使用回数

図1 小泉リサ 方言使用回数

図2 大谷敦士 方言使用回数

図2 大谷敦士 方言使用回数

4.3.4 方言ステレオタイプ

おもしろい かわいい かっこいい あたたかい 素朴 怖い 男らしい 女らしい
リサ(漫画) × ×
リサ(映画) × ×
敦士(漫画) × × ×
敦士(映画) × × ×

表4 方言ステレオタイプとの比較

4.3.5 方言がキャラクターに与える印象

大阪弁に対する一般的な印象として面白い、元気がある、あたたかいなどが挙げられる。上記の表に示した通り、『ラブ★コン』のヒロイン、ヒーローはこのステレオタイプに当てはまっている。『ラブ★コン』の実写映画と漫画には、2人の担任として登場する人物がいるが、この人物はそれぞれのメディアの中では役名も性格も全く別人である。漫画の方では大阪弁話者でステレオタイプに当てはまる面白くあたたかい人物であるが、映画の中では標準語話者であり、おどおどとした消極的な人物として描かれている。これも大阪弁に比べて標準語の方がなんとなく冷たいとか、関西人の方が面白いなどの一般的なイメージが影響しているのではないかと考えられる。

4.3.6 個別分析まとめ

ヒロインもヒーローも原作である漫画の発話数の方が多く、方言使用率も高かった。そのためか漫画の中のキャラクターの方が大阪弁のステレオタイプにより近い結果になった。それに対して映画はアクセントやイントネーションによって大阪弁らしさを表しているため、方言使用率は低い結果になった。

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