日本大学文理学部国文学科

1章 ホーム
1.5.ホーム上路線案内
国文学科2年 都築香苗

1.調査項目

JR山手線の路線図案内を調査。柱や壁に貼ってある物と時刻表横における物、それぞれ内回り・外回り両ホームを調べた。以下は日暮里駅・東京駅を除く物から得た結果である。

2.調査結果

■駅名表示の色分け(グラフや表は内回り・外回り共通)

調査対象二種類それぞれの路線図案内で、文字の表記に色分けは見られるのかを調査した。

<図1−1>
<図1−2>
路線図案内(柱・壁)文字表記色分け 路線図案内(柱・壁)使用色分布
路線図案内(柱・壁)文字表記色分け 路線図案内(柱・壁)使用色分布
色分け有・・・27駅(100%) 【主体部分】黒・・・27駅(100%)
【強調部分】赤・・・27駅(100%)

柱や壁の言語についての結果が上記の図1−1・図1−2である。
全駅の内回り・外回り共に色分けの有無、使用している色は共通である。上野・新橋駅の内回りホーム上の物は現在地〜次の駅への進行方向を矢印で記している。矢印が内回りのみの表示だったが、これは内回り利用者の方が多い為だろうか。図2はその画像である。

<図2>
現在地〜次の駅への進行方向
<図3>路線図案内(時刻表 全8駅に有)駅名表示色分け
色分け 主体部分の色 強調部分の色 強調部位
新宿 赤地に白・黒地に白 新宿・池袋・上野・東京・品川・恵比寿
恵比寿 白地に黒 黒地に白 大崎・田町・浜松町・鶯谷・日暮里
田端・大塚・目白・新大久保 以外
目黒 - -
品川 - -
田町 - -
新橋 赤地に白・黒地に白 新宿・池袋・上野・東京・品川・恵比寿
上野 黒地に白・赤 新宿・池袋・上野・東京・品川・恵比寿
高田馬場 - -

駅名表示の色分け基準は言語別でなく駅別だった。恵比寿駅はかなり独自の物だった。
“均郊路線図”という物を共通して設置する新宿・新橋・上野の三駅でもこの項目では上野駅が“強調部分の色”で異なる表記をする。色分けこそないが、目黒・品川・田町・高田馬場では他線の乗り入れのある駅名には線で囲いがされていた。
強調部分になっていた駅の要素は以下の三種類と考えられる。

1:山手線上で比較的大きいと思われる、他線乗り入れのある駅
2:自身の駅
3:“1”の中でも、より乗り換えや出口が多く複雑な駅

3.まとめ

駅名の表記の色分けにはそれぞれの駅の地域性による判断の違いが見られた。他線混在の大きな駅やオフィス街、外国人が多いイメージの駅は比較的重視される傾向となった。