国文学科2年 吉田 昌峰
山形県三川町に住んでいる方が出身地以外の方言を使うのかどうか、また相手によって使い分けているのかを会話とメールの二つの状況から明らかにすることを目的とする。
アンケート調査のⅩ①において「出身地以外の方言を使うことがありますか。」という問いを設定しそれに対して「(A)家族との対話(B)地元の友人との会話(C)東京の友人との会話(D)家族への携帯メール(E)地元の友人との携帯メール(F)東京の友人への携帯メール」以上の六つの状況で「1、よく使う2、たまに使うことがある3、使わない」の選択しから回答していただいた。
今回の対象データはアンケートに回答していただいた164人とする。設問によって解答がないものがあったりするため、内訳は報告の図に表す。
ⅩⅩ①の出身地以外の方言について分析するにあたって回答を「若年層」を10~30代「中年層」を40~60代「高年層」60代以上と定義する。
図1
図2
図1は、Ⅹ①の(A)(B)(C)の問いに対してのグラフであり「会話」においての使用頻度を表している。図2から、「高年層」が最も使用頻度が高く、続いて「中年層」、「若年層」であることが分かった。そして、「若年層」において「よく使う」と回答した人が(A)~(C)いずれの回答にも0人という点も目つく。
図4は(D)(E)(F)の問いに対してのグラフであり「メール」においての使用頻度を表している。図4からは「メール」に対しては年層にそんなにも大差は見られない。しかし、「会話」とは逆に「若年層」のほうが若干ではあるが「高年層」より使用頻度が高いという結果が分かった。
今回、「出身地以外の方言」を調査したにあたり、図1からも分かるように「若年層」から「高年層」と年層が上がっていくのに対して使用頻度が高くなるという結果が得られた。このことは、テレビなどのメディアの発達や学歴社会となり地元から離れた学校に行くといったことなどにより、方言自体が減少していることと関係があると考える。図2のメールにおいての使用頻度に対しては、全体的に使用しないと回答した割合が高かったがその中でも高年層が若年層よりも低かったのは、高年層は電子メールを活用しないというが原因であると推測できる。図1と図2の高年層の回答者全体数が図1の会話と図2のメールで不自然なほどに異なり、欠損値が多い理由もおそらくそのことが原因であると考える。