三川町の方言調査 ふるさとのことば

遊びのことば

遊びのことば

国文学科2年 木村 華子

1.目的と内容

「遊び」は、遊びの主体である子どもたちによって受け継がれ、その遊び方や遊びの名称、掛け声などは地域によってさまざまであるが、三川町ではどのような地域性があるかを調べることを目的とする。
今回は汚いものや汚い物をさわった人にふれたときに、そのケガレの感染を防ぐためにとなえることばである「エンガチョ」について、三川町ではどのような言葉が使われているかを調べる。

2.結果

「子どもが汚いものや汚い物をさわった人にふれたときに、そのケガレの感染を防ぐためにとなえることばは何ですか?」という質問に対し、自分が使ったことのあるものの名称を聞いてみた。結果は以下のとおりである。




もっともよく使われる語は「バリヤ」である。おそらくウルトラマンの影響であろう。使用者は主に20代~40代である。山形県独自と思われる「バッペ」は40代・50代・60代にそれぞれ2人・1人・1人という結果に なった。


次に、使ってはいないが、三川町で聞いたことがあるものを回答していただいた。すると、以下のような結果になった。




山形県独自と思われる「バッペ」であるが、主に中年層の方が多く回答していた。中年層に多いと言うものの、一般的な「バリヤ」が上回っていた。しかし、聞いたことのあるもの、という質問に対しては「エンガチョ」よりは上回っていた。全体的に見て、高年層の使用は少なく、中年層、ついで若年層の間で使われていることがわかる。


以上より、日本のことばシリーズ13「東京都のことば」の中の「遊びのことば」という章では、首都圏で同様の調査を行っているが、こちらも中年層・若年層の間で「エンガチョ」や「バリヤ」の使用が多いとされている。このことから、あまり独自のことばは使われておらず、一般的なことばが使われていることが伺える。その中でも「バッペ」は全国には普及していないが、山形では使われる独特なことばであるということがわかる。

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