(高田悠里子)
表1.中央2の看板に使用されている文字と数
・ひらがな:カタカナ:漢字=0:4:6
・日本語縦書き:横書き=9:2
・アルファベット縦書き:横書き=6:3
・アルファベット縦書きの看板で日本の縦書きと同じ置き順のもの1つ有
表2.晴海2の看板に使用されている文字と数
・ひらがな:カタカナ:漢字=1:2:3
・日本語縦書き:横書き=3:3
・アルファベット縦書き:横書き=1:5
以上のデータから分かるように、このエリアでは中央通りでも晴海通りでも、日本語とアルファベットの使用数に差が見られなかった。ここで私が気になったのは、アルファベットで書字方向が上から下の看板である。これは縦書きも横書きもできる日本語を使っている日本独特のものであるのかということであるが、これは違い、書字方向が左から右への一通りしかない言語を持つ国にもそのような看板はあった。ここから、縦看板の最大の役目は「限られた縦に細長いスペースを活用し目に留まるようにすること」であるように思われた。
・中央
地…白と黒が11:3で14枚 次いで朱・赤
字…白と黒が11:5で16枚
・晴海
地…白と黒が8:2で10枚 次いで青
字…白と黒が5:3で8枚
以上から、まず全体的にモノトーンであることは中央・晴海両通りに共通して言うことができ、そこから洗練された高級感を感じると言うことはできるかもしれない。
次に、中央通りは白・黒に次いで朱が4枚,赤が3枚と暖色の看板が目につく程度あったのに対し、晴海通りは次いで青が3枚、さらにその他に見られた色も緑・茶のみであり、全体に暗く地味であった。中央通りのオレンジに関しては比較的入りやすい店が看板の地の色として使っている印象を受けた(ロクシタン・吉野家・iseya)。ここから、看板数とも合わせて考えてみると、中央通りは比較的開けていて明るく華やかであり、晴海通りは地味で、特に通りの端へ行けば行くほど寂しい通りであると言える。
中央通りで8枚(アルファベット:漢字:両方=4:3:1)、晴海通りで4枚(アルファベット:漢字=2:2)の看板に「銀座/GINZA」の表記があった。看板という限られたスペースにわざわざその地名を示すことには何の効果があるのかを考えると、やはりその地名が何らかのプラスのイメージを与えるからであろう。これは銀座を知る手掛かりにはなるが、特に銀座という名前のブランド性を言うには他の繁華街との、その地の名前を表記している看板の数の比較などが必要になってくるのではないだろうか。