0311005 石井駿生
0311147 中里祐介
今回私達が担当したショーウィンドー内掲示では、銀座の晴海通りと中央通りに面した店舗のショーウィンドーを対象にショーウィンドーの中で使われている日本語について調査を行った。
表1.調査対象店舗数
※調査の対象はショーウィンドー内の掲示物であるが、掲示物が膨大な数にのぼることや数え方が曖昧なためここではショーウィンドー単位で計測することとした
ショーウィンドー内の掲示物を調査した結果、ショーウィンドー内の掲示物は役割ごとに三つの分類ができることが考えられた。ひとつは商品説明の掲示(図1)、二つ目はセール等の告知の掲示(図2)、三つ目は店自体の紹介の掲示である(図3)。
図1
図2
図3
表2.三種類の掲示物の一覧
文字種 | 材質 | 掲載期間 | 情報量 | |
商品紹介掲示 | ひらがな 漢字 | ラミネート加工 紙 厚紙 | 商品が切り替わるまで | 多い |
セール告知掲示 | ひらがな 漢字 アルファベット | 紙 ポスター紙 | 短い | 少ない |
店舗紹介告知 | ひらがな 漢字 アルファベット | ガラスに張る 金属プレート | 長い | 多い |
今回の調査で私が注目した点は、ショーウィンドー内の掲示では外国語、ひいては中国語や韓国語の使用率が非常に低い点である。三種類の掲示物の中で最も情報量の少ないセール告知掲示では、日本語の併記もありながらも英語でセール告知をおこなっているが、より詳細な情報が書かれている事の多い商品説明掲示ではそのほとんどが日本語で表記されている。外国人観光客に積極的に対応している銀座では珍しいことと言えるだろう。
これらのことから推測すると、多言語表記があまりみられなかった店の紹介掲示は看板と似た役割を持ち、ここに書いてある言語はロゴのような役割で外国人観光客に向けて多言語表示をする必要がなかったのではないかと考えられる。
一方、同じように多言語表記がみられなかった商品紹介掲示は別の理由がある。商品紹介掲示の大きな特徴のひとつに、商品と併せて説明がなされている点が挙げられる。ほかの広告物や食事のメニューとは違い、たとえ言葉がわからない外国人観光客でも実物の商品も併せて掲示してあるためある程度の推測が立てられるだろうとの考えからやむなく多言語表示を割愛したのでは無いだろうか。
また今回の調査ではショーウィンドー内掲示物の地域的な偏りも調査した。その結果、晴海通りには飲食店が多く、そのほとんどが日本語で表記され、商品説明掲示が集中的に見られた。また中央通りにはファッション関係の店舗が集中していた、ここでは晴海通りに比べアルファベット表記のものが多くみられ、セール告知掲示や店舗紹介掲示が多く見られた。このことからショーウィンドー内掲示の地域的な偏りと業種によって好まれる掲示形態を窺い知ることができた。