(原田大輔)
この節は私が担当した晴海通り沿いの歌舞伎座側(和光から昭和通りと晴海通りとの交差点)の区画についての調査報告である。先に挙げたように、晴海通り沿いは中央通りのように様々なデパートが乱立しているというイメージはなく、全体としてあまり建物の高さのない小さな店舗が多かった。歌舞伎座側の区画は特に大型のビルが少なく、個人商店が多かったためにフロアガイドが存在しない店舗も多く見られた。
歌舞伎座側の区画では高さのある建物は5軒程しか無かったため、有楽町側よりもさらにフロアガイドの統計から傾向を割り出すことが難しい。従ってピクトグラムが表記されているフロアガイドも存在しなかった。また、サービス業のテナントよりもオフィスの方が多く、フロアガイドも図5のようなオフィス街でよく見るようなものが多かった。
図3.オフィスと医療系テナントの使用言語の違い
外国語表記についても図3のように、テナント名と分けて表記していたのは、ほぼ医療系のテナントのみであり、飲食店や美容系の店舗はロゴの中に組み込まれていたもののみで、オフィスもほぼすべての企業が飲食店や美容系の店舗と同じように用いていた。このような表記をする理由は先の節の第3項で述べたことと同じであると考えるが、それに加えて歌舞伎座や築地市場が近く、下町のイメージが流れ込んできている(実際個人商店はたばこ屋や呉服屋等の小ぢんまりとした雰囲気の店が多かった)影響であまりおしゃれな建物やテナントは周囲から浮いた存在になってしまうことを意識した結果ではないかと考える。
窶闌