(冨塚健弘)
この節は私が担当した銀座中央通り(銀座1丁目~8丁目まで)の区画についての調査報告である。中央通りは和光や松屋など多くのハイブランドのお店が乱立していて高級感のあり、かつ密集している地域イメージがある。当初想定していたよりも一店舗型のビルは少なかったが、晴海通り側よりも大型店舗の数が多く、それに従って外国語表記やピクトグラムも見ることができた。また、丁目ごとに建物に大雑把ながら傾向がみられ、フロアガイドもそれぞれ特徴が表れていた。
銀座1,2丁目は他の地域よりもオフィスや銀行が多く、工事中の建物もあってか比較的簡素なイメージが見て取れた。建物はほぼ雑居系のビルだが、比較的密集していなく、フロアガイドに使われるスペースが他よりも広く取られていた。フロアガイドは文字のみのものが多く見られた。
外国語表記(実質言語)が使われている割合が高く、特に図4の下から2つ目のように企業系にGINZAという表記が多かった。
図4(ユキベルファム)
図5(松屋銀座)
銀座3,4丁目は松屋銀座や山野楽器があり、国内外の観光客と思われる人も多くにぎわいを見せていた。それに伴うように多言語表記の数も多く、松屋銀座のように外国語専用のフロアガイドを用意している店もある。だが、日本語版のフロアガイドの方にも外国語の振り仮名のようなものが見られ、店のメインターゲットが外国人なのではないかと感じた。
5,6丁目共にロゴが多く、また、大多数の雑居ビルが置き看板型に階数を表示してフロアガイドのようにしていた。この丁目は他の地域より中国語表記が目立っているように感じ、アディダス等のフロアガイドにも中国語表記がみられた。若者向けの洋服屋では、オシャレなフォントや文字、あるいはフロアガイドの形そのものがユニークなデザイン等、様々な工夫でフロアガイドが作られていた。飲食店はほぼ写真のみで、雑居ビルやデパートの中にしか無く、デパート内の飲食店専用のフロアガイドを用意している店舗も1つあった。また、ここにはオストメイトのピクトグラム(図6)が唯一あり、当初はもっと普及しているものと踏んでいたのに対しての結果だったので少し驚いた。
図6(松坂屋)
他の地域より1店舗、もしくはそれに近い形のビルが多く、また、雑居ビルに関しては食べ物系の店に他の地域より写真つきとロゴのみの2種類を用意している店が多く、フォント、色遣いにおいて全体的に黒を基調とした色遣いで、落ち着いたまとめ方がされていた。また、ヤマハ銀座では電光掲示板のフロアガイドを用意して、看板兼フロアガイドという形をとっており、その分で確保できたスペースに演奏会等の様々な情報を載せていて、スペースをうまく有効活用している印象を受けた。
図7電光掲示板によるフロアガイド(ヤマハ銀座)