(増田愛弓)
表3.中央3の看板の文字種と数
表4.中央3の文字種の組み合わせ
表5.晴海3の看板の文字種と数
表6.晴海3の文字種の組み合わせ
使用言語の文字種を見てみると、中央3は、アルファベットが使われているものが非常に多く、アルファベットと日本語のどちらもが使用されているものも目立った。一方晴海3は、日本語の方が多く使われていた。
使用言語の組み合わせは、中央3は、アルファベットのみと、日本語+アルファベットの組み合わせが多かった。晴海3は、日本語のみが多くみられ、文字種と同様、日本語の使用が目立った。
表7.中央3の看板の文字の向きと数
表8.晴海3の看板の文字の向きと数
縦看板に表記されている文字の向きを見ると、縦看板であるにもかかわらず、横書きや縦書き横書き両方が使われた看板が多く見られた。
縦看板の書字方向を見てみると、晴海通りでは、通常の横書きの「左から右」と縦書きの「上から下」のみしか使われていなかった。中央通りは、それに加え、アルファベットが「下から上」に向かって書かれているものもあり、晴海3は、日本らしく、中央3は、現代らしい文字の向きの現れ方が見られた。
写真3.縦書き 下から上の看板
中央通りは晴海通りに比べて、看板の数が多かった。
中央通りと晴海通りでは、看板のデザインからは中央通りがより華やかであると判断できる。
晴海通りは、日本語が多く使用されていたため、日本人向けの通りであり、あまり外国人観光客が意識されていない。
一方、中央通りは、アルファベットを使ったもの、アルファベットと日本語のどちらもが使われているものが多く、外国人観光客を意識した看板を掲げている。
アルファベットによる表記によって、銀座のグローバル化や、銀座らしさである高級感がみられる。高級ブランド店が立ち並ぶなかで、アルファベットが多くなり、銀座のイメージ、銀座らしさ、である、高級感、上品さが生まれている。言語が変わることには、その環境も関係しているのではないか。
全体をまとめると、銀座という街は、華やかさももの寂しさも高級なものもデイリーユースレベルのものも、様々なものが入り混じったところであると言えるのではないだろうか。