先にあげた店舗の英語対応について調査する。実地調査で確認したものに加え、それぞれのwebページでの英語対応についてもまとめる。
表1 各店舗の店頭での英語対応
この調査から分析できることは、まず、ひとくちに「英語対応」といっても店によってその程度や意図がそれぞれ異なっていたということだ。その理由としては、ガラス商品や写真立ては外国人でも視覚的に用途がほとんどわかるものであるが、手ぬぐいやまんじゅうは説明がなければどのようなものなのかわからない可能性があることが挙げられる。取り扱う商品が日本固有のものであるか否か、ということがこの差を表しているといってよいだろう。また全体を通して特徴的だったのは、調査した店舗の英語案内はどれも比較的小さいものであったことだ。「店の7外側にいる外国人客を呼び込むため」という意図ではなく「店の中に入ってきた外国人客のため」の案内であるというスタンスが見て取れる。
表2 各店舗のwebページの英語対応
調査したwebページの中で英語を取り扱う店は非常に少なかった。だがこれは仕方のないことだと考えた。リアルの世界の店頭は、外国人観光客がふらりと立ち寄る可能性も考えられるが、webページ(ましてや日本の専門店のものである)に外国人がふらりとアクセスする可能性は非常に低い。外国にも店舗を展開するといったようなことがない限り、ページを外国語対応する意義はあまりないのではないだろうか(現に表2で○に該当するうちのひとつである「銀座とみひろ」はロンドンで行われた「ロンドン北斎展」という催しに出展している)。