高級国外資本ホテルは、調査対象である銀座近くの資本が国外のもので高級ホテルと呼ばれる「ザ・リッツ・カールトン東京(港区赤坂9-7-1東京ミッドタウン)」、「シャングリ・ラホテル東京(千代田区有楽町1-8-1)」、「ペニンシュラ東京(千代田区丸の内1-8-3)」の3か所を対象とした。
表1.各ホテル使用言語 (カッコ内は言語の表示順)
表2.ピクトグラム
使用言語は高級国外資本ホテルでは日本語ではなく英語の使用が第一であることがわかる。これはやはり資本が日本ではないということが大きいだろう。またこれらは世界的にも有名な高級ホテルであり、海外の人の利用が多いためであると考えられる。また、シャングリ・ラホテル東京とペニンシュラ東京ではフロアガイドにトイレへの案内表示が見当たらなかった。これはトイレをあまり表立って出すものではなく、できるだけ目立つようにしたくないということなのではないだろうか。そしてそれぞれの共通点だが、「トイレ(Toilet)」や「メン(Men)」といった言葉ではなく「レストルーム(Restroom)」や「ジェントルメン(Gentlemen)」というより丁寧な言葉が使われていることだ。丁寧な言葉遣いにすることで高級であり清潔な印象を与えて、利用者に不快感を与えないように工夫しているものだと考えられる。
ピクトグラムでは、ピクトグラムそのものはJIS規格通りのもの、近いものでありこのピクトグラムをあまりに見慣れないものにしてしまうとかえって不便になってしまうためだと考えられる。しかしペニンシュラ東京のピクトグラムは特徴的で、男女の体中心あたりそれぞれに縦線が入っており、女性の絵は腰も細く描かれている。これはペニンシュラ東京の資本が香港であり、女性の絵はチャイナドレスを意識していることが考えられる。写真と比べてよく似ているのがよくわかる。
図.ペニンシュラ東京案内図
図.チャイナドレス