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第3章 銀座オフィシャル掲載の飲食店における言語表示の実態

0316070 佐藤 莉香
0316125 鄭 詒儒
0316130 野村 優

3.1.調査概要

一般社団法人銀座インフォメーションマネジメント(GIM)が制作・運営している「GINZA OFFICIAL」(以下、銀座オフィシャル)に掲載されている飲食店で、銀座オフィシャルと同様またはそれ以上の多言語表示を行なっているのかを調査する。

3.2.調査対象

銀座オフィシャルの項目「食べる」から、『カフェ』『寿司』『和菓子』『天ぷら・うなぎ』『洋食』『トンカツ』の6つのカテゴリに登録されている店舗を対象とする。なお、カフェにおいて本店と支店両方が登録されている店舗があったが、それは本店のみを調査対象とし、支店は除外した。

3.3.調査対象店舗一覧

【カフェ】計10店
Cafe de Ginza Miyuki-kan 本店/銀座千疋屋/GINZA TANAGOKORO/SANJIKKEN
東京凮月堂 銀座本店/トリコロール 本店/日東コーナー/ブロンデル銀座
洋菓子舗ウエスト 銀座本店/LINTARO CAFÉ

【和菓子】計6店
江戸和菓子 銀座 菊廼舎/大江戸菓子匠 銀座松崎煎餅/銀座 あけぼの
清月堂本店/とらや 銀座店/HIGASHIYA GINZA

【寿司】計4店
銀座 久兵衛/銀座 鮨一/ぎんざ 寿し幸/築地玉寿司 銀座6丁目店

【天ぷら・うなぎ】計3店
銀座 天國/天一 本店/ハゲ天

【トンカツ】計2店
銀座 梅林/名古屋名物 みそかつ 矢場とん

【洋食】計4店
つばめグリル 銀座コア店/南蛮 銀圓亭/みかわや/煉瓦亭

3.4.調査観点

メイン看板・外メニュー・店舗ホームページ・パンフレットなどのその他をそれぞれの店舗で調査。銀座オフィシャルと同様の日・英・中(簡)表記であるか、またはそれ以上の表記であるのかを見る。

3.8.まとめ

今回の調査で、日本語・英語の両方を使っているところはあっても、中国語を使っているところはほとんどないことがわかった。この理由として、世界共通語である英語を抑えておけば、ある程度外国人客の対応ができるのではないかという考えが店側にあるのではないかと考えた。また、比較的敷居が高いと考えられる店は、マルチリンガルであるなど従業員のレベルが高いことが予想されるため、わざわざ他言語表記をする必要がないからという理由が考えられる。特に敷居の高い店は、雰囲気を重視しているため、余計な言語や掲示物を置いていないのだと考えた。

ただ、「いま、最も多く見られる多言語表示・案内は日本語、英語、朝鮮語、漢語(中国語)の4言語併記(藤井 2013:80)」であるという現代で、今回の調査結果を見るに、非常に遅れていることがわかる。銀座オフィシャルでは3言語(日・英・中)に対応しているにも関わらず、掲載されているURL先は多くて日本語・英語の2言語対応であったり、店頭も同じ程度の対応だったりするのは、外国人観光客にとって不便であると思われる。各店舗も、徐々に3言語に対応していく必要があるだろう。

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