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第5章 各地域のマツモトキヨシにおける言語観の違いから銀座のあり方を考える

5.4.マツモトキヨシの臨時的掲示物の言語表記から考える訪日外国人が訪れる理由(松川瑞季)

5.4.1.調査概要

銀座、有楽町、調査員の居住区におけるマツモトキヨシの店舗ごとの臨時的掲示物、そして使われている言語とその数について調査を行う。

5.4.2.調査結果

表1 各店舗の臨時的掲示物のカテゴリーとサンプル数

調査した5店舗のマツモトキヨシではサービスに関する臨時的掲示物が多く、免税やQRコードなど訪日外国人に向けてのサービスが充実していることが分かり、掲示物に使用されている言語も英語を差し置き中国語が多く見られた。観光庁による訪日外国人消費動向からは、観光、レジャー目的で日本を訪れた外国人観光客が菓子や食料品、化粧品や医薬品を特に多く購入していくことが分かる。

これらの調査をふまえると、日本を訪れる外国人観光客は菓子類、化粧品、医薬品をメインに販売するマツモトキヨシに、化粧品、医薬品、菓子を含む食料品を購入する目的で訪れているということが考えられる。さらに銀座、有楽町のマツモトキヨシはそれらを目的に訪れる外国人観光客をターゲットに、免税やWi-Fi、QRコード等のサービス、観光・レジャー目的で特に多く訪れるアジア圏の外国人に向けた言語での臨時的掲示物での案内が盛んとなり、業態の異なる中央通り店のような例外は見られたものの、訪日外国人が買い物のしやすい店舗づくりに銀座、有楽町のマツモトキヨシは取り組んでいることが分かり、インバウンドによる売り上げの向上を期待していると考えられる。

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