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第2章 銀座のアンテナショップにおける言語景観

2.3.恒常的掲示における言語景観(村上裕美)

2.3.1.調査概要

対象店舗全てのメイン看板を調査し、看板に用いられている言語から対外意識の強さを見ていく。

2.3.2.調査結果

今回10店舗中、広島県、茨城県、沖縄県の3店舗に日本語以外の表記が見られた。

図1 広島県ブランドショップ「TAU」メイン看板

図2 茨城マルシェメイン看板

図3 銀座わしたショップメイン看板

図1は、英語のみの表記であった。これはおしゃれな外観に合わせたものであると考えられる。図2は、日本語とフランス語の二言語表記であった。これは「マルシェ」というフランス語であることに関係していると考えられる。最後に図3は「shop」という単語のみが小さく英語表記となっていた。これは、「わした」という方言・店名を強調するためではないかと考えられる。

このように、日本語表記以外の表記がされている店舗もデザイン性や方言を強調するために多言語表記されていることがわかる。つまり、外国人観光客向けに表記されたものではなかった。元々、アンテナショップは国内消費者向けに作られたものであり恒常的掲示が設置された時には多言語化が進んでいなかった。また、恒常的掲示は取り換えが難しい。このような理由から、恒常的掲示からは対外意識の強さをみることが困難であると考えられる。

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