図3 言語対応状況グラフ(店内放送)
グラフから銀座三越とメルサ銀座が一番多言語化されていることがわかる。放送言語は、日英中韓の四言語対応されていると見込んでいたが、実際は多くても日英中の三言語であり、ほとんどの店舗は日本語のみの対応であった。意外にもその他の店舗ではあまり多言語対応がされていなかった。また、④プランタン銀座では、日本語のほかにその他の言語として、フランス語のアナウンスがされていた。これは、プランタン銀座がフランス・パリの伝統ある百貨店「プランタン」との提携店であるからだと考えられる。ほかの店舗では聞くことがほとんどなかったが、プランタン銀座ではフランス語での会話をきくことができた。⑨銀座和光にはエスカレーターそのものがなく、⑩交詢ビルにはエスカレーターはあるがアナウンスはされていなかった。
また、中国人観光客の増加に伴い各デパートで中国語対応がされていると考えていたが、銀座三越とメルサ銀座のみの対応であったことが予想外であった。
また、プランタン銀座でのフランス語対応や、阪急メンズ東京の西日本方言など本店を意識した言語使用もみられた。各店舗で言い回しや注意喚起の種類は異なるが、内容は似たり寄ったりであった。特に違いが見受けられたのは、各店舗の語尾の違いである。「~ください。」という店舗と、「~くださいませ。」といっている店舗があった。「ませ」は、《丁寧の助動詞「ます」の命令形》であり、1 丁寧の気持ちを込めて、相手にある動作を要求する意を表す。2 丁寧の気持ちを込めて挨拶する意を表す。という意味があり、「いらっしゃる」「くださる」「なさる」などの尊敬語に付いて用いられる。「ませ」を使用している店舗は、三越銀座・プランタン銀座・阪急メンズ東京・メルサ銀座2・西銀座デパートであった。どの店舗も比較的若者向けではない店舗である。「ませ」を使用することによって、より丁寧な感じがして高級感も出るように感じた。この考えでいくと、松屋銀座が「ませ」を使用していないのは意外である。