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第3章 チェーン店における言語表記の違い

3.7.ドラッグストアにおける言語表記(田村祥子)

3.7.1.調査結果

サンプル数は表12と13である。使用言語をまとめ、グラフにしたものが図1になる。なお、マツモトキヨシについては本調査で行った方をマツモトキヨシ①、追加調査で行った方をマツモトキヨシ②と明記する。

表12 調査店舗のサンプル数

ポスター 立て看板 POP ステッカー その他 合計
マツモトキヨシ① 13 1 14 7 13 48
くすりの福太郎 6 0 4 4 1 15
ダイコクドラッグ 11 0 0 0 1 12
ぱぱす薬局 4 0 0 2 2 8
トモズ 3 2 0 0 2 7
合計 37 3 18 11 19 90

表13 追加調査店舗のサンプル数

ポスター 立て看板 POP ステッカー その他 合計
マツモトキヨシ② 5 0 19 0 17 41

図1 使用言語数

3.7.2.各店舗について

大きな特徴があった2店舗に絞って説明する。

【マツモトキヨシ】

サンプル数が調査した5店舗の内で最も多かった。どちらの店舗でも外国語表記が多数あり外国人観光客への対策がしっかりとしているように感じられた。使用されている言語は英語と中国語が多く韓国語はほとんどなかった。特徴として値札に「Tax Included(税込み)」と「Tax Excluded(税抜き)」が書かれていたり見本品にシールが貼ってあったりと細かな対応がされている点にある。これはどちらの店でも見受けられた特徴だった。

図2 値札

値段の下に「Tax Included」と「Tax Excluded」がそれぞれ書かれている。

【ダイコクドラッグ】

掲示物の偏りが多く、ほとんどがポスターだった。大きな特徴として使用言語が簡体字に偏っている点がある。マツモトキヨシは日本語と中国語を並べて表記しているものもあったが、ダイコクドラッグでは図3のような簡体字しか使われていない掲示物が多かった。このことからダイコクドラッグは中国人観光客をメインターゲットに据えているのではないかと考えられる。

図3 商品宣伝のポスター

簡体字のみが使われている。

3.7.3.まとめ

ドラッグストアではマツモトキヨシやダイコクドラッグとそれ以外で言語表記に大きな差があった。二つの店舗では外国語表記が豊富で外国人観光客に向けた対策が取られているのに対し、他の店舗ではあまり多くなかった。これら2つの店舗はHPでも外国語のページがあり、常に外国人に向けた対策をちゃんとしているのだろうと考えられる。

また、使用されている外国語にも特徴があり、マツモトキヨシでは英語も中国語も使用されていたがダイコクドラッグでは中国語が大多数を占めているという結果が出た。これは中国人や台湾人といった中国語を使用する観光客が多くドラッグストアにやってくることからこのような言語表記になっているのではないかと考えられる。

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