このページのPDFを印刷

第5章 臨時的掲示からみた現在の銀座

0315004 池田類子
0315093 長須由果
0315128 越川香奈

5.1.臨時的掲示調査概要

【臨時的掲示の定義】

ステッカー・スタンド・ポスター・ポップなどの書き換え、貼り換えが可能な簡易的な掲示物をここでは臨時的掲示物とする。

【調査項目】

銀座にある店舗の臨時的掲示の有無。また、臨時的掲示の内容を調査する。

【調査対象・範囲】

銀座四丁目の晴海通り、中央通りの道路沿いにある店舗を対象とする。ただし、一階部分のみの調査とする。店内に置かれている臨時的掲示は調査対象としないが、店内に置かれていても、店外から見えるような臨時的掲示は調査対象とする。(下図の矢印を引いた所を対象とする)

図1 調査対象地図

【調査方法】

各店舗の臨時的掲示の有無を調べたうえで、臨時的掲示の内容について調査する。

【調査概要】

調査は10月20日木曜日に行った。調査場所は銀座中央通り、晴海通り沿いにある店舗の1階部分外観のみを調査対象とした。交差点から銀座五丁目方面の中央通りと、交差点から数寄屋橋方面の晴海通りを池田、交差点から銀座三丁目方面の晴海通りを長須、交差点から東銀座方面の中央通りを越川が調査を担当した。調査当日は写真撮影のみ行った。はじめに店舗の外観を撮影。その後、確認できた臨時的掲示を店舗向かって左側から右側にかけて撮影した。調査日以降、自分で撮影した写真を確認してチェックシートに書き込む、という作業を行った。

【通り別店舗種類内訳】

◎晴海通り
●飲食
竹葉亭、SO CAFÉ、M'sSTYLE COFFEE、本格つけめんたれ蔵、CAFÉルブラン、あけぼの
Manneken、銀座千疋屋、不二家、WAKO
●大型商業施設
MITSUKOSHI(晴海通り口)
●カメラ
カツミ堂写真機店、カメラレンズミヤマ商曾
●銀行
三菱東京UFJ銀行、イオン銀行(PARK隣接)
●娯楽パチンコ
PARK、PALAZZO
●コンビニ
ミニストップ ピーアーク銀座店

◎中央通り
●飲食
吉野家、らん月、木村家、加賀屋
●大型商業施設
三越、松屋銀座、和光、GINZACORE、GinzaPlaza58、EXITMELSA、SAN-AI
●銀行
みずほ銀行
●商業ビル
大黒屋

5.5.まとめ

掲示タイプではステッカーが最も多かった。ステッカーでの最も多かったメッセージ内容はTax Freeであった。Tax Freeのような多くの店で同じデザインを使用することがある場合、他店との統一感が出て、一つの印象は薄くても、目視する回数が多いため見る側に印象を残すことができる。

使用言語では、日本語と英語が大半であった。1つの掲示物に使用される言語は、日本語のみ、英語のみ、日本語と英語の組み合わせが大半を占めた。使用言語の組み合わせで最も多いのも日本語と英語の組み合わせであった。2言語の配列は多く日本語が優先され、日本語以外の言語の組み合わせの場合、2言語の配列は多く英語が優先される。店舗の種類によって優先される言語は違うことも明らかになった。

多言語の臨時的掲示がみられる店舗は、大型商業施設やパチンコ店にほぼ限定された。日本政府観光局の訪日外客数の伸率から今後も増加していくことが考えられる。

以上の調査によって、現在の銀座は外国人観光客を意識し、多言語化が進んでいることが分かった。臨時的掲示により補っている部分のほとんどが英語や中国語であったのは、客層やターゲットに合わせた掲示であると言える。訪日外国人が観光を楽しむために、これからできていく新しい店舗にはさらに多言語表示が増えていくのではないかと考える。一方で、高級ブランドや老舗と言われる銀座のイメージとしての店舗には臨時的掲示はあまり見られなかった。

参考文献・参考サイト

・公益財団法人 東京観光財団 『東京ブランド公式サイト』 https://andtokyo.jp

・真田信治・庄司博史編『辞典 日本の多言語社会』岩波書店2005年

・東京都生活文化局(2003)『外国人にもわかりやすいまちの表記に関するガイド』 http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp

・日本政府観光局 「統計データ」 http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/visitor_trends/

(2017年1月9日閲覧)

ページTOPへ