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第5章 臨時的掲示からみた現在の銀座

5.3.使用言語からみた晴海通りと中央通りの違い(越川香奈)

5.3.1.調査概要

臨時的掲示に使用されている言語の種類から、晴海通りと中央通りには違いがみられるかどうかを調査する。店舗の種類別に使用言語に違いがみられるかに注目し、どの言語が、どのような組み合わせで、どのような順に並んでいるのかという観点から考察していく。

5.3.2.晴海通りと中央通りの使用言語の相違点

店舗の種類によって優先される言語は違うことが明らかになった。最も店舗数が多いファッション関係の店舗では、英語が多く使用されていた。飲食店では、使用されている言語はほぼ日本語と英語であった。

多言語の臨時的掲示がみられる店舗は、大型商業施設やパチンコ店にほぼ限定された。

中央通りの大型商業施設では、日本語、英語、中国語、韓国語の4言語が使用され、中国人や韓国人の観光客にも配慮していることがうかがえる。

晴海通りのパチンコ店には多く特徴がみられた。使用言語数が最も多いのはパチンコ店であり、日本語、英語、中国語、韓国語、スペイン語、オランダ語、ポルトガル語の計7言語がみられた(図3)。使用言語が多いことにより、より多くの人がその掲示を読むことができるため、高い集客力があると考えられる。また、日本語、英語、中国語、韓国語によるパチンコのマニュアル冊子(図2)が店外に掲示してあり、日本特有のパチンコを知ってもらいたいという試みもみられた。日本語、英語、中国語、韓国語が話せるスタッフがいるという掲示も、大きなアピールをしていると感じられた。

図2 パチンコ店のマニュアル

図3 パチンコ店の多言語表示

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