調査対象としているデパートの多目的トイレ内の臨時的掲示物・恒常的掲示物の使用言語、ピクトグラムの種類の差について調査を行う。
表2.各デパートのピクトグラム規格
銀座三越 | 銀座和光/本館 | GINZA SIX | 松屋銀座本館 | |
---|---|---|---|---|
男女 トイレ |
ー | ー | ||
規格 | ー | オリジナル |
オリジナル (JIS規格寄り) |
ー |
車いす | ||||
ISO規格 | ISO規格 |
オリジナル (ISO規格寄り) |
||
オストメイト | ー | |||
ー | JIS規格 | JIS規格 | ||
乳幼児設備 | ||||
JIS規格 | JIS規格 | |||
大人用ベッド | ー | ー | ー | |
オリジナル (JIS規格寄り) |
ー | ー | ー |
ピクトグラムがなかった場合は「―」で表記し、色つきは複数ピクトグラムが見受けられたもの。
写真5.銀座三越多目的トイレ
写真6.7.松屋銀座多目的トイレ
表3.トイレ内使用言語
トイレ内 使用言語(恒常的) | トイレ内 使用言語(臨時的) | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日 | 英 | 中 (簡) | 中 (繁) | 韓 | 日 | 英 | 中 (簡) | 中 (繁) | 韓 | ||
銀座三越 | 3F | ◯ | ◯ | ◯ | - | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | - | - |
B1F | ◯ | ◯ | ◯ | - | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | - | - | |
B2F | ◯ | ◯ | ◯ | - | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | - | - | |
和光銀座/本館 | 3F | ◯ | ◯ | - | - | - | - | ◯ | - | ◯ | - |
GINZA SIX | 3F | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | - |
B1F | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | - | |
B2F | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | - | |
松屋銀座本館 | 1F | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | - |
縦計 | 8 | 8 | 7 | 4 | 7 | 7 | 8 | 7 | 5 | 0 |
表4.臨時的掲示がされているアイテム
トイレ内 使用言語(恒常的) | ||||
---|---|---|---|---|
緊急呼び出しボタン | 流すボタン | 多目的トイレに関しての 注意書き |
||
銀座三越 | 3F | ◯(日・英・中(簡)) | - | - |
B1F | ◯(日・英・中(簡)) | - | - | |
B2F | ◯(日・英・中(簡)) | - | - | |
和光銀座/本館 | 3F | ◯(英・中(繁)) | - | - |
GINZA SIX | 3F | ◯(日・英・中(簡)) | - | - |
B1F | ◯(日・英・中(簡)) | - | - | |
B2F | ◯(日・英・中(簡)) | - | - | |
松屋銀座本館 | 1F | ◯(日) |
◯ (日・英・中(簡)・中(繁)) |
◯ (日・英・中(簡)・中(繁)) |
縦計 | 8 | 1 | 1 |
表5.平成29年度銀座に訪れた外客人(東京都 国別外国人旅行者行動特性調査)
平成29年に銀座に訪れた人数 | ||
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国 | 中国 | 2009/2,665 |
台湾 | 659/2,059 | |
韓国 | 606/1,771 | |
香港 | 296/802 |
表2にまとめたとおり、それぞれ世界共通の規格のピクトグラムとオリジナルデザインのピクトグラムでも規格に寄せたものが織り交ぜて使用されていたが、大半が規格に寄せたオリジナルのピクトグラムであった。だがその中でも和光では男女トイレマークが女性はタイトスカート、男性はスーツといった特殊なデザインであり、それは和光自体が高級感を大切にしているため雰囲気を壊さないよう特殊なデザインにしていると判断した。
使用言語の差を調査した結果が表3.4であるが、恒常的掲示においてはトイレの機能の説明が主であり日・英・中・韓と多言語化はしているものの目立った差はなかった。その要因としては、トイレ会社が製作した説明書き等をそのまま利用していることであると考えた。臨時的掲示ではどのデパートでも日・英・中が主体であり韓国語はどこのデパートでも見受けられずこちらも差はなかった。例外で、和光は恒常的掲示では日・英、臨時的掲示は英・中(繁)の二言語のみであり他デパートと比べ極端に掲示物も少なかった。これらも高級感をトイレでも意識しているがためあえて少なくし、日本人に機能の説明が伝わるように日本語と、全世界共通の英語。必ず利用方法を間違えてほしくないため、緊急呼び出しボタンに英語と、訪れる数が多いであろう中国語を別途用意しているといえ、それをもとに調査した結果が表5であるが銀座に多く訪れているのが中国圏の人々であり、掲示物に必ず中国語があり、英語は世界共通語であるため中国圏以外の人にも伝わるように必ず掲示されていると比較・調査を行って分かった。日本語はあくまでもおまけであり、多言語化を意識しているというよりかは、需要に応える形で言語の種類を増やしていると考えられる。