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第5章 カフェから見る銀座の言語景観

5.5.メニューから見る和菓子カフェの言語景観(堺谷夏帆)

5.5.1.調査結果

表4.メニューの集計結果

  メニュー
中(簡) 中(繁) 言語数 写真
(サンプル)
和菓子カフェ  
1 雪ノ下 銀座一丁目 1 × × × × × 1
2 銀座 福禄寿 1 2 3 4 5 × 5
3 茶房野の花 1 × × × × × 1
4 カフェ木村家 1 2 × × × × 2
5 茶CAFE 竹若 1 × × × × × 1
6 文明堂カフェ 東銀座店 1 × × × × × 1
7 うおがし銘茶 茶・銀座 銀座店 1 × × × × × 1 ×
8 銀座若松 1 × × × × × 1
合計 8 2 1 1 1 0 平均1.6 7

グラフ3.本店の使用言語数

グラフ4.支店の使用言語数

5.5.2.調査結果から見る多言語対応と調査店舗の違い

調査の結果、対象の和菓子カフェ全8店舗中6店舗で一切多言語対応がされていないことが分かった。しかし、その代わり7店舗で写真(サンプル)を使用していた。また、銀座福禄寿では調査した中で最多の5言語に対応している上に写真(サンプル)も用意されていたことから多言語対応にかなり力をいれていることが読み取れる。つまり、うおがし銘茶以外の店舗ではメニューが多言語対応されていなくても写真を見て注文することが可能である。逆にうおがし銘茶 茶・銀座では日本語の表記のみ、さらに写真(サンプル)すらなく多言語に対応されているとは全く言えない。他にも銀座福禄寿だけを除いた7店舗での使用言語数は平均1.1言語となり、和菓子カフェ全体としても多言語への対応に力が入っていないことが分かった。(銀座福禄寿は他店舗と比較すると正しい結果が出ないため今回は外している。) また、グラフ3と4では対象店舗を本店と支店に分け、違いを検証してみたが本店の4店舗の言語使用数が平均1.3言語、支店の4店舗の言語使用数が平均1.1言語となったため特に大きな違いはなかった。このことから店舗の多言語化に本店か支店かということは関係していない。

和菓子カフェでは多くの店舗が多言語表記に対応していないが、代わりに写真やサンプルを使用し外国人の理解・想像の手助けとして不足点を補っている。よって、外国人観光客にも最低限写真で対応が可能なため表記の方はあまり充実させていないと考えた。また、外国人から見た日本の和のイメージを壊さないという点も重んじているのではないだろうか。

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