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第5章 カフェから見る銀座の言語景観

5.6.メニューから見るカフェチェーン店の言語景観(古谷まなみ)

5.6.1.調査結果

表5.メニューの使用言語

  メニュー
中(簡) 中(繁) 言語数 写真
(サンプル)
チェーン店  
18 スターバックスコーヒー
銀座松屋通り店
1 2 × × × × 2
(壁設置の
メニュー
にはなし)
19 ル・カフェドトール 銀座店 1 2 3 × 4 × 4
(一部あり)
20 宮越屋珈琲銀座店 1 × × × × × 1 ×
21 カフェ・ベローチェ
銀座みゆき通り店
1 2 × × × × 2
22 プロント銀座コリドー店 1 2 × × × × 2
23 サンマルクカフェ
銀座みゆき通り店
1 × × × × × 1
24 喫茶室ルノアール銀座6丁目店 × 1 2 × 3 × 3
(一部あり)
25 ドトールコーヒーショップ
銀座6丁目店
1 2 3 × × × 3
合計 7 6 3 0 2 0 平均2.3 7

5.6.2.調査結果を見て

調査した8店舗中、表記が2言語以上のものは6店舗であり、8店舗中7店舗が商品の写真もしくはサンプルがあった。もっとも多言語化していたのはル・カフェドトール銀座店の4言語であった。また、喫茶室ルノアールに関しては唯一メニューに日本語表記がなく、英語、中国語(簡体字)、韓国語の3言語だったが、これはメニューのデザイン性を考慮した結果、日本語を省いたという印象だった。言語表記の順番に関しては、どの店舗でも日本語、英語、中国語、韓国語の順に並んでおり、店舗ごとの特徴などは見受けられなかった。

5.6.3.使用言語数と店の全国展開規模について

グラフ5.調査店舗における使用言語数と全国店舗数

折れ線グラフは全国店舗数、棒グラフは調査した店舗での使用言語数を示している。 全国店舗数が多いチェーンほど多言語化が進んでいると予想し、全国店舗数を調査したところ、折れ線グラフのような結果となった。グラフを見る限りではそのような結果ははっきりとは見られなかったが、今回は調査店舗が銀座にある1店舗のみなので他の地域の店舗と複数で統計を取ってみるとはっきりと差が出てくるかもしれない。また、ル・カフェドトールはドトールコーヒーが銀座の高級感に合わせた店舗として展開したものなので、店舗自体は銀座に1店舗のみであるが多言語化が進んでいると考えられる。 8店舗中6店舗で多言語表記、7店舗で写真などの記載が見られたので、銀座チェーン店における多言語化は進んでいると言ってもよいだろう。

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