対象とするデパートのトイレ吊り下げ案内掲示板の表示名と言語についての調査を行う。
表6.店舗ごとの表示名と使用言語
吊り下げ案内板のトイレの表示名 | トイレ入り口の案内板の使用言語 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
お手洗い | Rest room | トイレ | 化粧室 | ピクト グラム |
日 | 英 | 中 (簡体字) |
中 (繁体字) |
韓 | ピクト グラム |
||
銀座三越 | ファッション 3F | × | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | × | × | ◯ |
3F 多目的 | × | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | × | × | ◯ | |
化粧品 B1F | × | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | × | × | ◯ | |
B1F 多目的 | × | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | × | × | ◯ | |
食品 B2F | × | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | × | × | ◯ | |
B2F 多目的 | × | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | × | × | ◯ | |
和光銀座/ 本館 |
ファッション・ 化粧品 3F |
× | × | × | × | ◯ | × | × | × | × | × | ◯ |
3F 多目的 | × | × | × | × | ◯ | × | × | × | × | × | ◯ | |
GINZA SIX | ファッション 3F | × | × | × | × | ◯ | × | × | × | × | × | ◯ |
3F 多目的 | × | × | × | × | ◯ | × | × | × | × | × | ◯ | |
化粧品 B1F | × | × | × | × | ◯ | × | × | × | × | × | ◯ | |
B1F 多目的 | × | × | × | × | ◯ | × | × | × | × | × | ◯ | |
食品 B2F | × | × | × | × | ◯ | × | × | × | × | × | ◯ | |
B2F 多目的 | × | × | × | × | ◯ | × | × | × | × | × | ◯ | |
松屋銀座 本館 |
ファッション 3F | × | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | × | × | ◯ |
化粧品 1F | × | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | × | × | ◯ | |
1F 多目的 | × | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | × | × | ◯ | |
食品 B1F | × | ◯ | × | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | × | × | × | ◯ | |
縦計 (%) |
0/18 (0%) |
10/18 (55%) |
0/18 (0%) |
10/18 (55%) |
18/18 (100%) |
10/18 (55%) |
10/18 (55%) |
0/18 (0%) |
0/18 (0%) |
0/18 (0%) |
18/18 (100%) |
表7.各デパートごとのパンフレット対応言語数の比較
表8.トイレの吊り下げ案内板のピクトグラム
銀座三越 | 銀座和光/本館 | GINZA SIX | 松屋銀座本館 | |
---|---|---|---|---|
トイレの ピクトグラム |
表6と表7を見比べてわかるように、パンフレットの対応使用言語はデパートごとに異なり松屋銀座においては日+英の基本2か国語に加え総じて6か国語も対応していることがわかる。銀座三越も5か国語と多言語化が進んでいることが分かった。それに対しトイレの案内板に使用されている言語は一律して日+英の2か国語のみという結果だった。
表8においてはGINZA SIX・三越はJIS規格のものを使っており、和光・松屋に関してはどの規格にも該当しないオリジナルのピクトグラムを使用していた。50%という半数の率でオリジナルを採用するということは、それぞれのデパートの雰囲気を重視していると思われる。
ピクトグラムに付随している言語という観点で観てきたが、前提として恒常的案内板におけるピクトグラムの表示率は100%であった。
例えば、家電量販店で爆買いをする中国人をターゲットとする場合、その家電がいかに優れているかを理解してもらうために説明する必要がある。すると中国語での対応が重要であることは自明であるが、トイレを知らないor使ったことのない旅行者はいたとしても僅少であろうし、場所さえ表記すれば案内板としての役割は十分である。よってここではピクトグラムが必須になり、ピクトグラムがあれば多言語化は重視されないということが分かった。
またオリジナルピクトグラムや表記に婉曲法を用いてることから、各デパートの雰囲気を大事にしていた。ピクトグラムが併記されているので必要以上の多言語化はいらない。よって世界共通である英語だけに限定したのではないか。