国文学科3年 齋藤 星子
三川町の伝統的な方言語彙を調査し、語彙の使用度・認知度について分析しました。そのことにより、伝統的な方言語彙の現在の状況を知ることを目的としました。ここでは、「ショゴスル」(片づける・処分する)の語について年代差に注目して述べていきます。
調査項目・・・面接調査票 Ⅸ.語彙3-1「ショゴスル」(p20)
ここでは、「ショゴスル」の使用度・認知度についての質問をしました。この調査では、下のような質問をしました。
◎「ショゴスル」と言うことばを使いますか?
1.使う
2.意味はわかるが使わない
3.意味もわからない
15歳までずっと三川町に住んでいた20代~70代の63人を対象としました。年層別の内訳は以下の通りです。
・若年層(20歳~39歳)16人
・中年層(40歳~59歳)24人
・高年層(60歳~79歳)23人
☆「ショゴスル」の使用度・認知度はどのくらい?
上の図から、三川町全体では「ショゴスル」を「使う」、「意味は分かるが使わない」の回答が全体の90%を超えて、かなり多くの人が「ショゴスル」を知っているという結果になりました。また、「ショゴスル」の「使う」という回答の割合は全体の68%と50%を超えました。このことから、三川町全体では「ショゴスル」は認知度・使用度ともに高いことがいえます。
次に年層別にみてみました。すると、高年層になっていくほど「使う」、「意味は分かるが使わない」の回答が多くなっていくことから認知度は高くなっていることが読みとれます。今回の調査では、高年層では全ての人が「ショゴスル」を知っているという結果になりました。「ショゴスル」の使用度も「使う」という回答が中年層、高年層では75%を超えていて使用度が高いのに対して、若年層だけ30%にも満たず、他の年代よりも大幅に低くなっていることが読み取れます。
以上のことから、三川町では「ショゴスル」は、三川町では使用度・認知度ともに高い結果となりました。しかし、年層別にみてみると、高年層から若年層になるにつれて使用度・認知度、特に使用度が低くなっていることが分かりました。このことから、「ショゴスル」は現時点で消滅しつつある語彙であるといえるのではないでしょうか。