東京都23区における自治体の言語サービスの実態

各区の概況調査

新宿区概況

国文学科 北村明子

区の紹介

都内で最も外国人登録者が多い区で、とりわけ韓国人・中国人が多数居住している。
友好都市は長野県伊那市(旧高遠町)・レフカダ町(ギリシャ)・ベルリン市ミッテ区(ドイツ)・北京市東城区(中国)。

◎韓国人の多い区
終戦後は日雇い労働者や在日朝鮮人などが空き地や山手線・中央・総武線のガード下などに住むようになり、現在の大久保界隈の原型が形成された。1950年代には朝鮮戦争の影響で朝鮮人が流入。現在のようなコリアタウンが成立した。
韓国で海外旅行が自由化された1980年代末以降、いわゆるニューカマーの韓国人の住民が増え始め、国際化・グローバル化の影響で1990年代以降韓国・中国・フィリピン・タイなど周辺アジア諸国関連の店舗や留学生向けのアパート・日本語学校などが増加した。

人口の変化
人口 30万7415人 前年比 5,459人増
住民基本台帳人口 27万7078人 平成19年1月1日現在
住民基本世帯数 16万2567世帯
外国人登録人口 3万337人
人口動態
社会増(転入・帰化など) 2万8998人 平成18年1月〜12月
社会減(転出・国籍喪失・失踪など) 2万7348人 平成18年1月〜12月
出生 1,963人 平成18年1月〜12月
死亡 2,306人 平成18年1月〜12月
外国人登録者数の内訳と人数の変化

外国人人口は韓国または朝鮮人、次いで中国人が圧倒的に多い。平成16年次では三位がマレーシア人だったが、平成17年以降はフランス人がマレーシア人を抜いている。

外国人登録者の多い国・地域の主要言語

大久保周辺のコリアタウンでは、やはり日常会話などには韓国語が用いられるのだろうが、1990年代以降日本語学校が増えており、日本語を話せる韓国人も増えているのではないだろうか。一方で、韓国人ニューカマー親睦団体「韓人会」は、「新宿区若松町には、 韓国人学校があるので近くに住む人はいいが、 全国に韓国系の学校は4校しかない。 朝鮮総連系の学校は結構あるが、 韓国系の学校は少なく、 母国語を教える場所が少ない」と母国語教育の必要性を強調している。

【参考文献】
新宿区公式ホームページ
ウィキペディア - 新宿
ウィキペディア - 大久保