国文学科2年 松田雪
東京都23区役所における外国人利用者向けのポスターについて調査した。ここでは調査対象を、外国人登録業務を行っている階の紙媒体で掲示されているもの全てとした。ホームページのURL以外に外国語が用いられているものを優先し、次点にピクトグラムなどの視覚に訴えるものがそれぞれ掲示されているかを観点とした。
筆者の仮定として、外国人登録者数の割合に応じて掲示の有無に差が出るのではないかと考えている。
区名 | 有無 | 区発行 |
---|---|---|
千代田 | × | × |
中央 | × | × |
港 | ○ | ○ |
(新宿) | ||
文京 | ○ | ○※1 |
(台東) | ||
墨田 | × | × |
江東 | × | × |
品川 | × | × |
目黒 | ○ | × |
大田 | ○ | ○ |
世田谷 | × | × |
(渋谷) | ||
中野 | ○ | ○ |
杉並 | × | × |
豊島 | ○ | ○ |
北 | ○ | ○ |
(荒川) | ||
板橋 | ||
練馬 | ○ | ○ |
足立 | × | × |
(葛飾) | ||
江戸川 | × | × |
※1 画像の端に区発行の外国語記載とみられるポスター有り(不明瞭)
次に外国人の利用者向けの案内や宣伝がポスターとしてあるかどうか、以上の〔図1〕に示す。有無の行は内容が外国人向け且つ外国語記述のもの、区発行の行は先の条件に該当し且つ区が独自に発行している。ポスターがあるか否かである。
図によると、約半数の区役所において外国語記述が含まれるポスターを掲示している。区発行でない外国人向けのポスターとして、東京入国管理局移転のお知らせ(日本語・英語・中国語・韓国語・フランス語・スペイン語/複数)、入管法改正のお知らせ(日本語・英語/大田区)、ハローワークのお知らせ(英語・中国語/目黒区)がある。
区が発行している掲示を内容別に〔図2〕に示す。なお
の4種に大別した。枠内はその仕様言語である。
区名 | 外国人相談 | 教室、交流 | 役所内注意 | その他 |
---|---|---|---|---|
港 | 日英 | |||
文京 | 英 | |||
大田 | 日英 | |||
中野 | 日英中 | |||
豊島 | 日英中韓 | |||
北 | 英 | |||
練馬 | 日英中 | 日英中韓 | 英中 |
〔図2〕に示されている通り、区役所内の外国人向け掲示物の多言語状況は、その区の外国人登録数と概ね比例していることが読み取れる。
誤差の出ている原因として、お知らせの紙が掲示ではなく配布物として設置されていた、案内は紙ではなく看板や電光掲示板であった、などの可能性が考えられる。